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[中国の基本情報]日本のオフショア開発先として大ベテランの中国

カテゴリ:オフショア基本

 

本記事の執筆者:大熊一慶(セカイラボCOO)

中国と言えば日本のオフショア開発依頼先として最も有名な国です。しかし、最近は中国のエンジニア単価は上昇してきており、一部日本と変わらないほどにまで上昇しています。エンジニア単価は日本と差がなくなってきていますが、エンジニア不足が深刻化してきている日本とは違い、中国にはハイレベルなエンジニアが大量に存在しています。

さらに、日本を追い越す勢いで成長している中国市場への進出の足がかりとして、現地のエンジニアチームと提携するというメリットもあります。

ここでは、今後ますます成長していくであろう中国のIT産業の特徴と、中国でオフショア開発を行う際のメリットとデメリットを紹介していきます。

中国のICT(主にソフトウェア)産業

ITソフトウェア市場規模

中国のICT産業は急激に成長しており、2005年~2012年の8年で約16%成長しています。ICT産業の市場規模は、2012年で19兆円に及ぶとされ、そのうちソフトウェアまたはサービス開発の割合は22%(2012年時点:日本では40%)で、年々割合が増加しています。

日本と比べると割合は少なく感じますが、ソフトウェアとウェブサービス開発市場の成長率で見ると、中国は2005年から2011年で16%、日本は動期間で-1.9%となっています。なので今後もソフトウェアとウェブサービス開発市場は拡大していくと思われます。

ITエンジニア数

少し古い数字になってしまいますが、2009年のITサービス企業の技術者数は、アメリカが95万人、日本が77万人なのに対し、中国は145万人です。この時点ですでに他国に比べてたくさんのエンジニアが存在していましたが、ITサービス企業以外の企業ではまだまだエンジニア数は少ない状態でした。

恐らく現在ではITサービス企業以外でもエンジニア数が増加していると思われます。

中国でのオフショア開発のメリット

中国でのオフショア開発のメリット

1.スキルの高いエンジニアが多い

中国は人口が圧倒的に多い事に加えてIT教育にも力を入れています。

例えば情報工学系の大学の卒業生が日本が約2万人なのに対して、中国ではその40倍の約 80万人という数字も出ています。加えて中国国内のインターネット市場が爆発的に伸びていることもあり、就職先としてIT業界の人気も高まっているため、若くて優秀な人材が集まってきています。

2.中国国内でのサービス展開

モバイルネットユーザーは約6億8,000万人、モバイルアプリ市場3,000億円、EC市場約20兆円(2012年時点)と爆発的なスピードで成長しています。日本市場と比較すると顧客単価はまだ低いものの、市場ポテンシャルとしては圧倒的なモノを秘めています。

ですが、中国でサービスを展開して成功させるのは全くの海外企業にはなかなかにハードルが高いです。例えばアプリのマーケット一つとっても、Google PlayやApp Storeに加えて第3者的な企業が運営するプラットフォームが大量に存在します。ターゲットや地域によって使い分けたりする必要があるのはもちろん、それぞれのプラットフォームで開発の仕様も少しずつ違っているので、「とりあえず2大プラットフォームに対応させれば問題ない」という具合にはいかない場合があります。そのため、開発面でも詳しい人材と連携する必要があるので、開発を現地エンジニアに依頼するというのも良いと思います。

3.時差が小さい

アジアは日本との時差が小さい地域が多いですが、日本と中国の時差は1時間しかありません。日本に企画チームを置いていても基本的にリアルタイムでコミュニケーションができるため、作業は非常に進めやすい環境です。一方で、春節(旧正月)などの大型連休が2月や10月にあるので、これを事前に把握して準備しておかないと緊急の対応ができません。春節といった休暇にあわせて開発スケジュールを組んでおく必要があります。

中国でのオフショア開発のデメリット・リスク

中国でのオフショア開発のデメリット・リスク

1.価格が他の国と比較して高い

上海などの中国沿岸部では現在外注単価が50万/人月程度まであがっており、一部の日本地域よりも高い状態になっています。人件費が上がってきていることを考慮すると、単純にコストを下げるという目的のみで中国にオフショア開発を依頼するという選択を取ることは良いとは言えません。

そのため、ハイスキルな人材を採用する、中国市場でサービス展開をするという別の目的を持った上で中国という地域を選択していく必要があります。

2.人材の流動性が高い

中国のICT国内市場が熱くなってきており、中国企業は日本やアメリカ等の海外企業から受託するというよりも自分たちでサービスやシステムを作る企業も増えてきています。そのため、エンジニアも開発会社からサービスプロバイダーに流れる傾向があり、人材獲得競争は熾烈を極めてきています。

こうした状況なので、各社で人材の流出を防ぐ工夫を行っています。例えば弊社でやっていたことを例としてあげると、社内イベントを定期的に行う、エンジニアが開発しやすい環境(机、椅子、PC、モニター etc)を整備する等で働きやすい環境を作りました。単純に給与を上げるというだけではエンジニアのモチベーションを保ち続けるのは難しくなってきています。

3.政治リスク

私自身の経験としては、開発現場でエンジニアと接触している限りは、政治的な事情に起因する問題を感じたことはありません。しかし、歴史的背景から反日感情が他の国と比較して相対的に高いことは否めません。

私が2012年の8月に四川省の成都に出張していた時も市内で大規模な反日デモが行われており、日本人は出歩かないようにとのニュースが出ていたこともありました。現地のエンジニアに注意を促されていたため問題なく過ごすことはできましたし、街の大半の方々は気にも留めていない様子でしたが。

加えて、例えばFacebook等のネットサービスの利用規制等も唐突に起こったりしますので、それらのサービスと連携するアプリケーションを開発する場合は開発環境もある程度整備しておく必要があります。

私が担当したFacebookアプリの開発プロジェクトでは、中国人エンジニアは普段利用できない(していない)サービスだということもあり、サーバ環境の設定や、前提知識の理解力の差で若干日本で開発する場合よりも学習コストがかかりました。

まとめ

中国のICT産業は成長も著しく、人口が多い分エンジニアのリソースも豊富です。また、tencentやAlibabaのような世界レベルのIT企業が存在感を増してきている中で、中国IT市場への進出を検討する企業も増えてきていることでしょう。

どこの国で開発する場合もそうですが、その国の文化とエンジニアの特徴を理解することで、よりスムーズに開発を進めることが可能です。 中国は同じアジアで日本と距離的にも文化的にも近いことと、エンジニアリソースが豊富とうメリットがあります。 コストを下げるよりはレベルの高いリソースを確保するという意味では、非常に魅力的な選択肢だと思います。

セカイラボは、中国の内陸都市「成都」に100名体制の開発拠点を構え、日本の企業様向けにスマートフォーンアプリやソーシャルゲームの開発実績が多数ございます。また、中国国内に信頼できるパートナーを取り揃え、日本市場向け、中国市場向けのアプリケーション開発に幅広く対応しております。中国での開発にご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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