uncategorized

フォードが世界8地域で各地域の問題を解決するためのアプリ開発コンテストを開催するワケ

Ford_Mobile_Application_Development_Contest.jpg  1980×1347  のコピー

アメリカの自動車メーカー フォードが、この7月よりInnovate Mobility World Challengesという、オープンイノベーションの取り組みを始めたようです。これを通じて、世界中ののソフトウェア開発者に呼びかけ、Mobility(流動性・稼働性といった意)に関する課題を解決しようというものです(色んな意味においてのMobilityを改善するというのは、フォードが目標として掲げていることです)。

今回は、ロサンゼルス(アメリカ)、リスボン(ポルトガル)、デリー、ムンバイ、チェンナイ(インド)、上海(中国)、ヨハネスブルク(南アフリカ)、アルゼンチンという8つの地域において、それぞれの地域に絡んだMobiltyに関する課題に対する解決策を、開発者に提示させようという試みです。

フォード自身が開発した、自動車用API「OpenXC」

今回このInnovate Mobility World Challengesにおいては、米フォードが開発した”自動車用API”とも言われる「OpenXC」が提供され、それぞれの地域における車に関するデータなどを得ることができます。「OpenXC」は、オープンソースのハードウェアとソフトウェアからなるプラットフォームで、ハードウェアの方を「対応自動車に差し込むと、自動車のリアルタイムデータを読み込み、アプリケーションで利用できる」そうです。例えば、「車輪の回転速度、角度、GPS位置、航行速度」といったデータを読み込むことができます。

例えばこれを使ったアプリとして、インドの企業が、「車の位置に応じて会議に遅刻しそうであるかを判断し、運転手のアドレス帳を読み取って、会議出席者に自動的にメッセージを送信する」アプリなどを開発しているそうです。(参照:Internet Watch)

各地域における課題を解決するためのハッカソン的なイベント

ChallengePost のコピー
Innovate Mobility World Challengesは言わば、世界中を巻き込んでやるハッカソンのようなイベントです。各地域の解決したい課題については、ハッカソンのプラットフォームである「Challenge Post」というサイトに投げ込まれています。

例えば、以下のような課題が上がっています。

21世紀の駐車場をつくろう!

Parking Lot 2.0 のコピー

例えば、ロサンゼルスの課題として、「Parking Lot 2.0(駐車場2.0)」というのが上がっています。ロサンゼルスは、世界の中でも、最も駐車場が密集している地域だそうです。それでも「ピーク時に駐車場が見つからない」という問題を解決するために、これまでたくさんの駐車場を作ってきました。ただ、そうしてきたことで、逆に休日やピーク時でないときはたくさんの駐車場の空きが出てしまうということなのです。だから、ソフトウェアやアプリを使うことで、野外のそうした駐車場を別の目的で使えたりしないか?というのがここで上がっている課題です。

優勝者には、15,000ドルが与えられるとのことです。個人、チーム、50名以下の企業単位で参加することができます。(以下の課題も共通)

モンスーンの季節の土砂降りに備えるアプリ!

Monsoon App Downpour

ムンバイからは、モンスーン時期に備えるアプリというのがお題として上がっています。ムンバイのモンスーンの時期は、数週間土砂降りが続き、道路は洪水、線路は水の下に沈んで電車は走れなくなるそうです。そんなシーズン特有のmobilityを改善しようというお題です。

自由に使っていい、APIやデータベースも提示されています。例えば、必要に応じて、世界銀行による気候データや、天候マップといったものをサービスの中に組み込むことができます。

リスボンの物流を改善するソフトウェア!

リスボンからは、「財・サービスの流れ」についての問題が上がっています。リスボンという都市は、周りを山に囲まれているため渋滞に見舞われているそうです。この渋滞はリスボンの都市化や地域外への輸送を妨げています。

Uber(配車サービス)やTaskRabbit(お手伝いのマーケットプレイス)といったサービスは、従来の物の流れとは違うシェアの経済を生み、利便性を向上させました。しかし、ビッグデータやリアルタイムデータを活用することで、リスボンのような混雑した都市においての「財・サービスの流れ(物流)」を改善する方法が他にもあるのではないか、ということが提起されています。

アプリで変える世界

フォードは、「フォード・シリコンバレー・ラボ」という機関を設立し、オープンイノベーションによって人々のmobility(動きやすさ、やりたいことをやるための妨げがない状態)を追求しています。その解決策を探るための、今回のInnovate Mobility World Challengesというわけです。

その際ポイントとなっているのが、まずオープンイノベーションというかたちで、自社だけでなく世界中の色んなひとたちの知恵を結集しようとしていること、また、ビッグデータなどを活用することで問題の解決に当たろうとしているということがあります。

上の課題の中でも出てきましたが、今の時代にふさわしいソリューションを生み出そうとしていることが伺えます。つまり、これまでに解決されていない問題について、データの活用によって解決にあたろう、あるいはこれまでとは違う視点で、革新的な解決策を導き出そうとしています。

大都会の交差点イメージ(俯瞰撮影)

これまでの記事の中でもいくつか自動車メーカーによるアプリをご紹介してきましたが、そこからも、自動車メーカーは単に車を作って売るだけではなく、人々の生活そのものにまで視点を広げていることが伺えました。車は、例えば、移動するためものである、何かを運ぶためのものであるという風に考えていったときに、人々の「移動」ということに対してのソリューションを広く考えていくことが自動車メーカーの役割になったりするわけです。今回の例はまさにそれでしょう。

その一つの手段として、自ら新しいAPIを開発して世の中にオープンに提供するなど、時代を牽引していく姿勢が感じられます。イノベーションってなんなの?イノベーションってどうやって生まれるの?といった疑問に対するヒントが、フォードの一連の取り組みから得られる気がします。

参考

OpenXC

米Ford、自動車用APIプラットフォーム「OpenXC」の実験的公開を開始


アプリを作ることになったら読むe-Book「アプリ開発AtoZ(企画〜発注編)」
sekai-labスマホアプリを企画中の方向けに、アプリの企画・設計・発注までをまとめたe-Bookを作成しました。実際にアプリ開発の現場で使われているノウハウが満載です。無料なので、この機会に是非ダウンロードしてみてください。もっと詳しい内容をみる


YUKA NUNOI /
ぬのちゃんと呼んでください。よく、人間ではない様々な生き物(あるいは生き物じゃないもの)に似ていると言われる。世界の行く先と、そこでどう行動すればいいかについて、皆さんと考えていきたいです。好きな国はウガンダ。