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オフショア開発のメリットと課題について、最前線のベトナムで現地の本音を聞いてみた

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【本文】
2014年6月、ベトナムでオフショア開発事業をしている企業9社を視察訪問しました。

オフショア開発の全貌を明らかにするべく、さまざまな質問を9社の代表の方々にぶつけてきました。今回は、いただいた回答を「オフショア開発のメリットと課題」というテーマで紹介したいと思います。

IT業界にはびこる「オフショア開発は必ず失敗する」話

オフショア開発経験の有無に関係なく、IT業界にいる人は「オフショア開発」という言葉に、何となくネガティブな印象を抱いているのではないでしょうか。

1. コストは安いが品質は良くない。
2. エンジニアのレベルが予想よりも低くて使えない。
3. プロジェクト管理ができずスケジュール通りに納品されない。
4. コミュニケーションがうまくいかず仕様と違うものができる。

あれ?でもよく考えると、どれもオフショア開発だけに限ったことではないですよね。一般的に、開発プロジェクトが失敗する原因の多くは「曖昧な要件定義や設計の不備」「リソース不足やマネジメント不足」です。こういった原因の理由として、オフショア開発は言い訳にされやすい特性があります。

そのため、オフショア開発を(一部でも)使ったプロジェクトが失敗すると「オフショア開発を使ったから」とよく言われてしまいます。00年代前半の中国を使った第一次オフショア開発ブームは、ネガティブな印象を多く与えてしまいました。もちろん、本当にオフショア開発が理由で失敗した例もあると思います。

一方で、そういった中でもオフショア開発で成功している例はあります。地道に改善を重ね、コミュニケーションを密に親切にとることで、日本で開発するよりも成功率の高い会社だって存在します。今回私が視察訪問した9社はベトナムのオフショア開発を牽引しており、それはこれまでコツコツと成功事例を積み重ねてきたからだと思います。

ベトナムのオフショア開発業界を牽引する9名に聞いた!オフショア開発のメリットと課題

メリット1:コストが安い

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オフショア開発のメリットといえば、なんといってもコストが安いことです。皆さんがまず最初にオフショア開発に目をつける理由はこれだと思います。しかし、オフショア開発といえば中国でしたが、最近は人件費が高騰し中国沿岸部では日本のエンジニアと同じくらいの単価・費用感になっています。

では、今もっとも注目されているベトナムはどうでしょうか。ベトナムは東南アジアの中で4番目に単価が安く、エンジニア単価は中国の半額程度、日本の1/3 ~ 1/4です。もちろん、エンジニアの技術レベルによっては変わってきますが、今もっともコスパが良いのはベトナムだと思います。

メリット2:エンジニアのレベルが上がっている

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一方で、エボラブルアジアの薛(ソル)社長は「いえいえ、オフショアで開発するのは、コストが安いうんぬんではなく、技術力が高いからなんですよ」と言っていました。また、ベトナムのオフショア開発チームを使っている日本の某IT企業担当者も「日本の中途採用を受けにくる日本人よりもベトナムのプログラマーの方が技術力が高いことがある」と、以前話していました。

なぜ技術力が高いと言えるのか?

ベトナムに関して言えば、プログラマーは憧れの職業という側面があり、学生の中でも優秀層が「医者や弁護士よりプログラマーを目指す」といった風潮があるそうです。また、ベトナムは国としてIT教育に力を入れていることもあり、情報系の学部を設置している大学が270ほどあります。

こうしたところでITを学んだ学生は、プログラマーとしての基本的な知識がしっかりしており、勤勉な国民性もあってベトナムには良いプログラマーが多いのです。さらに!親日国として有名なベトナムでは、日系企業や日本の案件に携われることが一種のステータスになるため、より優秀な層が日本との関わりを希望します。

メリット3:エンジニア不足の日本にとっての救世主

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日本では「エンジニアが足りない」というせりふを聞かない日はないくらい、状況は深刻です。そもそもエンジニアの母数が少ない、そして優秀なエンジニアはもっと少ない、その人たちを取り合うために高い賃金を提示する企業。

日本では母数の少ない優秀なエンジニアの取り合い合戦が盛んですが、世界に目を向けると優秀なエンジニアが多く、しかもコストも抑えられます。ベトナム政府は、2020年に年間100万人をIT業界に就業させるべく、教育プログラムを組んでいます。日本では毎年新たに輩出されるエンジニアは約2万人、一方中国では100万人、インドでは200万人が毎年輩出されていると言われています(もちろん人口の母数が違いますが)。

優秀なエンジニアを数多く、コストを抑えて確保できる。オフショア開発のメリットを一言でまとめると、このようになるのではないでしょうか。

もちろん課題はあります

「ベトナム人はスキルは高いが、経験不足によって”全体性”に欠ける傾向がある」(ムロドー・ベトナムの下浦氏。)

全体性とは、専門のスキルを持ちつつ、開発全体のことを理解しているということです。日本でも”全体性”を持った人材は多くありませんが、日本とベトナムとを比べたとき、日本の方が全体性をもった人材が育ちやすい仕組み、学ぶ環境があるそうです。

まとめ

今回の視察訪問を終えて改めて思ったことは「オフショア開発の可能性は無限大にあるが、全ての開発プロジェクトにとって銀の弾丸にはならない」ということです。ベトナムに限った話ですが、私たちの想像以上にベトナムのIT設備は整っており、人材も優秀になってきています。遠隔コミュニケーションツールも増え、アジャイル開発やプロトタイピングといった開発プロセスも出てきており、以前に比べてオフショア開発は成功率が高くなったといるでしょう。

しかし、あくまでケースバイケースです。コストメリットが出ない開発プロジェクトがあったり、国や地域によって得意な言語やプロダクトが異なります。これらを個人の担当者で判断することは難しいと思います。もしオフショア開発をお考えであれば、オフショア開発のプロフェッショナルであるセカイラボに、お気軽にご相談ください。

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オフショア開発に関する参考記事

2015年4月に「オフショア開発先として注目の中国・ベトナム・バングラデシュを調べてみた」という記事を更新しました。こちらも併せて御覧ください。

また、オフショア開発においてコストメリットが出づらいケースを説明した記事「[徹底解説]オフショア開発でエンジニア単価は安いのに全体費用が高くなる場合」もあります。ご興味がありましたら、こちらも御覧ください。

今回お話を聞いた方々

EVOLABLE ASIA Co., Ltd 代表取締役社長 薛 悠司氏
Mulodo Vietnam Co., Ltd. 代表取締役社長 下浦 敦史氏
ISB Vietnam Co.,Ltd. 取締役社長 安田 孝由氏、PRセクションリーダー Nguyen Thi Kim Thanh氏、Business Development マネージャー Nguyen Thi Kieu Quyen氏
DIGITAL SHIP Co., Ltd 代表取締役 矢澤 幸三郎氏、グェン・ミン・タオ・フォン氏
株式会社Asian Tech 代表 チュオン・ディン・ホアン氏
株式会社セタ・インターナショナル 田村氏、マーケティング部 グエン・フオン・ジャン氏
Framgia Vietnam CO.,LTD COO 小林 泰平氏
KiwiSoft 代表 Nguyen Thai Ha氏
株式会社 BraveSoft Vietnam HR マネージャー チャン・ティ・ドン氏


YUKA NUNOI /
ぬのちゃんと呼んでください。よく、人間ではない様々な生き物(あるいは生き物じゃないもの)に似ていると言われる。世界の行く先と、そこでどう行動すればいいかについて、皆さんと考えていきたいです。好きな国はウガンダ。