uncategorized

国内でシェア7割のクラウド名刺管理サービスは世界で使われるサービスとなるか

名刺

2014年9月3日、4日の2日間「Startup Asia Tokyo 2014」というイベントが開催され、アジア圏を中心に、世界中からスタートアップ企業や投資家たちが集まってきていました。言語や出身、職種、業界も様々の中ですが、名刺交換は共通の文化として行われていました。

名刺管理はクラウドの時代

名刺は今でも通用するアナログツールの一つですが、最近ではそれをクラウドで管理できるサービスも出ていますね。私自身、Sansan株式会社が提供している「Eight」という個人向けクラウド名刺管理のサービスを使ってますが、簡単に名刺データをクラウド上にアップし、PCとスマホの両方で管理をすることができるためとても便利です。印象的なTVCMも展開されているサービスなので、ご存知の方も多いでしょう。

日本発名刺管理サービスが海外へ

そんなSansan株式会社は2013年には米国に子会社を設立するなど着々と海外進出の準備を進めていました。そして資金調達も完了した今年5月より、海外展開を強化しています。

Sansan株式会社は、個人向け名刺管理サービスの「Eight」と、企業向けサービスの「Sansan」を展開していますが、今回の海外展開に関しては「Sansan」のみに絞っているようです。

海外での競合サービスは?

海外でも名刺交換がされることは冒頭でもお伝えした通りですが、では名刺管理の仕方はどうでしょうか?海外での名刺管理といえば、WorldCardやEvernote、Camcardといったサービスが使われているようです。

WorldCard

WorldCardは名刺をスキャンしてデータ化することができるスマートフォン向けのアプリケーションで、Sansan株式会社が提供している個人向けの「Eight」と近いサービスです。

Evernote

Evernote Knowledge Base   Evernote

Evernoteはクラウド・ノートとして有名ですが、スマートフォンのアプリのカメラ機能を使うと、同じように名刺にある連絡先情報をデータとして取り込むことができます。Evernoteはビジネス向けにナレッジ共有のサービスを展開していますので、組織内で名刺データの共有・管理をするといった使い方も可能です。

Camcard

Camcardは個人向けとビジネス向けの名刺管理サービスです。スキャンした名刺をデータ化し、タグで管理したり、商談情報をメモとして残したりすることができます。

一方でSalesforce(セールスフォース)やMicrosoft Dynamics CRM、SugarCRMなどのSFA/CRMは存在しており、リードマネジメント(顧客情報の共有・管理)の重要性は既に顕在化しています。ですので、この溝を埋めるようにCamCardにはSalesforce、SugarCRMとの連携機能が提供され、Evernoteは法人利用の強化にあたって、単なる情報共有だけでなく名刺管理の共有化を進めています。

また海外だと、ビジネスのつながりツールとしてはLinkedinがメジャーですね。こちらはむしろ「名刺を不要とする」という意味において競合になるかもしれません。

Sansanの強みはその認識精度

今回CamCardとEvernote、Sansanの名刺管理サービスのEightをiPhoneにインストールして実際に名刺を読み取ってみました。UI等は各アプリで違いはあるものの、いずれも使いやすく優れたUXを追求しているように感じました。そんな中でのCamCardとEvernote、Eightの相違点は名刺情報の認識精度にありました。

CamCardとEvernoteは高い割合で名刺情報を正確に読み取ることができましたが、うまく読み取れない箇所が、名刺を読み取るたびに最低1箇所は発生しました。割合的に感覚値ですが70%〜90%の精度といったところです。これでは読み取った名刺情報を最後には自分の目ですべて確認していかなければいけないのでかなりの手間が生じます。

一方Eightで名刺を読み取ったところ、名前、メールアドレス、会社名、所属部署、住所、電話番号など完全に正確な情報で読み取れていました。マイナス評価を言うなら、他の名刺管理サービスよりデータ入力に時間が必要なことと、読み取った名刺は全て横向きに表示されるので縦向きの名刺が横に表示されてしまうということでしょうか。

Sansanの名刺管理サービスで完璧に近い名刺情報の読み取りが可能な理由は、専属の入力オペレーターが一件一件入力しているからです。読み取られた名刺情報はSansanに送られ、幾重にもわたる確認作業を経て登録されるため利用者によるスキャン後の修正作業は一切必要ありません。

実際に海外(アメリカ・ニューヨーク在住)で名刺管理アプリを利用したことのある人に聞いたところ、『名刺管理アプリを使った名刺を管理しようとしたが名刺をカメラで読み取るたびに自分で確認し、手作業による修正が必要で、結局使わなくなってしまった。』ということでした。

データ入力に時間がかかることと精度の完璧さは一長一短な点ですが、ビジネスにおいては「精度」が重要な要素であることは言うまでもありません。「できる限り最短の時間で、正確な情報を」というのは一つの強みになるかもしれません。和製の名刺管理サービスが精度という武器で海外展開を図っていくのは日本らしいとも思えます。

日本発BtoBオンラインサービスの海外展開をリードする存在になるか

もちろん精度だけではなく、上記のようなセールスフォースとの連携を含め、「ビジネスにおける名刺データの有効活用」という面では機能面も最も充実していそうです。日本では名刺管理サービス市場においてすでに7割以上のシェアを獲得しており、圧倒的な存在感を持っています。

日本発のBtoBオンラインサービスで、世界で名を馳せているサービスはまだ多くないといった印象ですが、「Sansan」は世界で使われるサービスになるでしょうか。今後の展開が楽しみです。

参照
http://jp.techcrunch.com/2014/05/19/jp20140519sansan/


アプリを作ることになったら読むe-Book「アプリ開発AtoZ(企画〜発注編)」
sekai-labスマホアプリを企画中の方向けに、アプリの企画・設計・発注までをまとめたe-Bookを作成しました。実際にアプリ開発の現場で使われているノウハウが満載です。無料なので、この機会に是非ダウンロードしてみてください。もっと詳しい内容をみる


HIROKI AITANI / Web Engineer/ Writer
社内インフラ、Web/DBサーバーインフラの構築からWebアプリの開発まで幅広く担当するエンジニア。現在iOSアプリ開発を学習中。趣味は特定の文房具集めとコーヒー屋巡り。