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東南アジアへ進出するなら「決済」を握れ!カンボジアでクレカをしのぐ決済システム「Wing」とは?

カンボジア国内どの州でも必ず遭遇する黄緑色の看板、Wing。大手ガソリンスタンドから、街の零細商店(生活用品店、スナック菓子店、両替所等々)まで、様々なお店がこの看板を掲げており、Wingの機能を兼ねている商店(Wing Cash Xpress outlets)は、2014年現在カンボジア国内に約2,000店舗あると言われています。

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シンガポールを除く東南アジアのクレジットカード普及率は極めて低く、東南アジアビジネスに参入する人々の頭を悩ませていますが(参考:東南アジアでオンライン決済が浸透しない4つの要因)、カンボジアではクレジットカードの代替として、Wingという決済システムが流行中です。類似した例として、2007年よりアフリカのケニアで主流となった決済システム、エムペサがあります。

途上国では、クレジットカードが主流になる未来を待つより、その国独自で作り出している決済システムに歩み寄るのが近道かもしれません。
そこで、今回はカンボジアの決済システム、Wingについてご紹介致します!

Wingとは

カンボジアの決済システムWingは、下記のサービスを提供しています。

①Wing card(Wing cardの発行、Wing cardを利用した下記3つのサービスの利用、ATMでの現金引き出し)
②送金
③携帯電話料金のチャージ
④請求書払い

②に関しては、携帯電話を持ちさえすれば利用出来るサービスです。 昨年Wingが扱った取引金額総額は15億ドル、内10億ドル以上が送金サービスで、Wingの中でも最も利用頻度が高いサービスです。

それでは、それぞれのサービスについて見ていきましょう。

①Wing card

Wing cardとは、利息のないキャッシュカード/クレジットカードを兼ねたようなもので、Wing cardにお金をチャージしておくと、時と場所に関わらず、携帯電話で決済することが出来ます。

Wing cardは、

・携帯電話
・IDカード(外国人の場合、パスポートのコピー)
・2.5ドル

の3点さえあれば、Wingの窓口で即時発行(約10分程度)してもらえます。

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また、発行後のWing cardへの入金は、Wingの窓口やWingを取り扱うATMで行えます。

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②送金

カンボジアに一般市民向けの送金システムが存在しなかった数年前、送金は手渡しをするしか方法がありませんでした。地方間は基本的に車移動なので、場所によっては現金を手渡しするために十何時間もの行程が要されます。その時間的なロスを解消したのがWingの送金サービス!
従業員の給料支払い等でも利用されている様です。

1)Wing cardを相手が持っていない場合(Wing Cardは使用しません)

・Wing窓口で送金の旨を伝え、自分の携帯電話番号、送金額、受取側の携帯電話番号を所定の用紙に記入する。

・Wing窓口で送金額+手数料(1.5ドル)を渡す。

・Wing窓口でレシートをもらう。

・受取側にレシートに記載されるシリアル番号を伝える。

・受取側は、期限日までに最寄りのWing窓口にいき、シリアル番号を伝えて送金額を受け取る。

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2)Wing cardを自分も相手も持っている場合(Wing Cardを使用します)

・受取側のWing card番号をあらかじめ聞いておく。

・「*989#」に発信し、「WING-2-WING」を選択後、画面の指示通り(英語)に入力を進める。

・1)とは異なり、相手のWing cardに自動的に送金される。

③携帯電話料金のチャージ

携帯電話のチャージは、商店でプリペイドカードを買うというのが一般的でしたが、Wingの御陰でいつでも携帯電話にチャージが出来るようになりました。Wingを知って以来、私はこのサービスを専ら利用しています。

チャージは「*989#」に発信し、下記の様に行います。

いち
に
さん
よん

④請求書払い

請求書払いでは、電気・ガス・水道等の公共料金、テレビの受信料、ネット通信料、新聞紙購読料、保険料、その他取引先への支払いをすることが出来ます。

請求書払いは、「*989#」に発信し、「Bill Payment」を選択後、画面の支持通り(英語)に入力を進めます。(未だ試していないので画像を割愛。)

さいごに

さいごに、カンボジアの決済システムWingについて総括します。

①Wing取り扱い店舗が、カンボジア国内に約2,000店舗ある。

②与信審査が必要となるクレジットカードに比べ、Wing cardは携帯電話・IDカード・2.5ドルだけで即時発行出来る。

③送金システムは、携帯電話があれば誰も利用できる。

個人を携帯電話番号に結びつけて決済を行う、というのは先進国では起こり得ないのですが、Wingはカンボジアの状況を鑑みた面白いアイデアだなと思います。
ただ、前述の様に窓口で送金する場合、シリアルナンバーは自動的に受取側に届かず、送金者本人が受取側に教えなければならなかったりと、セキュリティーが担保されていない故、どうしても人の手に頼らざるを得ない部分はあります。

以前カンボジアのファッションECサイトについての記事で取り上げた様に、ECでもWingが利用されています。今後カンボジアで電子決済を介すビジネスをする際には、Wingが鍵となってくるでしょう。

参考
Wing
<新興国eye>カンボジアのウィング社、携帯電話を使った送金が好調


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NORI NAKAMURA / Writer
1987年生まれ。カンボジアに魅せられ幾年が経過しようとしている今日この頃。2014年8月より同地での生活を開始し、国際協力関連の仕事に携わる。興味が散漫過ぎるのが悩みの種。