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通訳からデザイナーへ転身したカンボジア人が日本人AD指導のもと手がけたアプリとは?

これまで、カンボジアのJC Group(以下、JC)が開発したアプリを2つご紹介してきましたが、第3弾は、カンボジア人デザイナー、ジェシーさんが手がける育成型ソーシャルゲーム、「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」をご紹介致します。

前回記事
カンボジア発のソーシャルゲームがリリース!日本人アートディレクターがプロデュース
【インタビュー】カンボジア人とアプリを開発するということ—「カンボジア発 プノンさん」開発秘話

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圧倒的なキモカワモチーフ

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▲「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」のキャラクター

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▲「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」のキャラクターの餌

こちらは、カンボジア人のジェシーさんがキャラクターデザインを手がけた「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」のキャラクターたちです。キモカワ(気持悪さと可愛さを兼ね備えている状態。ジェシーさんのキャラクターの場合、世に存在しない架空の動物という気持悪さと、動物の愛らしい表情や鮮やかな色彩が良い具合に融合しキモカワを生み出しています。)なキャラクターに、思わずニンマリしてしまいます。

「どこどこ(国)のキャラクターっぽい」という、「どこどこ」の国にも当てはめがたい、キモカワモチーフ。嗜好は人によりけりですが、一般的に日本人に好まれるキャラクターからは少し離れており、「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」のキャラクターはどちらかというと西洋人好みのテイストです。

カンボジアでは独自のアニメキャラクターが輩出されることはごく稀で、カンボジアの若者が目に触れる唯一のアニメはカートゥーンネットワーク(アメリカのアニメ専門チャンネル)です。カートゥーンネットワークは、日本では有料配信のためあまり馴染みがありませんが、地方暮らしの子供含めカンボジアで親しまれています。ジェシーさんの生み出す個性的なキャラクターたちは、そんな影響を受けているのかもしれません。

参考までに、カンボジア初のソーシャルゲームデベロッパーとして知られているOsja Studioのヒットタイトル、「Asva The Monkey」でもキモカワモチーフが見られます。

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▲Asva the Monkey/Osja Studio

日本では滅多にお目にかかれないカンボジア人デザイナーの描くキャラクター、「カンボジアゆるキャラJC-KA Family」を通じて「カンボジアっぽい」キャラクターを是非感じてみて頂きたいです。

カンボジア人デザイナー、ジェシーさん

JCにはデザインを大学で学んだデザイナーが多い中、ジェシーさんは英語学科の学士を取得後、ウエダコーヒー(ウエシマならぬウエダコーヒー。蛇足ですが、プノンペンの数ある路上販売コーヒー店の中でも、とりわけ美味しいと言われています。)→日系人材会社→JC、という特殊な経歴を歩んでいます。
JC入社まで絵を書く経験すら皆無であったジェシーさんは、デザインの基礎をJCのアートディレクター、中村英誉さんから学んだとのことです。

アートディレクター、中村英誉さん

ジェシーさんの師匠にあたる中村英誉さんは、以前もご紹介した通り、英国、日本(秘密●社●の爪デザイナー等)で研鑽を積まれ、現在カンボジアで活躍するアートディレクター(カンボジア進出を検討している同業の方は、必ず押さえておきたいお方です!)。

中村さんにとって、ジェシーさんはカンボジア第一弟子にあたるとのことで、中村さんにコメントを頂きました。

元々通訳でデザインの素養が全くなかった彼女。それが彼女にとって最も大きな可能性であり、試練であったかもしれません。最初の頃は「私はデザインが下手です」と自分自身で口に出していましたが、それが無くなったときに自信と責任感が出てきたと思います。

日本人に教わるということ

一方ジェシーさんは、どの様な試練があったのでしょうか。

デザインという仕事を試行錯誤しながら行う中、デザインを学問として体系的に学んだ経験がないからこれ以上成長出来ない!と時に投げやりになることもありました。しかし、中村さんの教えを受けていくに従い、自分の過去は、デザインが出来ない理由にはならないと考えるようになりました。一番大事なのはオリジナルの着想をどう得るか。デザインを描く上で必要な技術はインターネットがあるこのご時世、動画や専門サイトで独学することが可能です。中村さんに教えてもらったのは技術的な部分というより、デザイナーとしてのマインド面が大きいです。目下の目標は、より専門性の高いデザイナーになること。目標に向けて日々励んでいきたいです。

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さいごに

カンボジアはIT分野において関心を集め始めて間もない上、同分野での教育機関の整備が希薄な分私企業に手厚い人材育成が求められるため、サービスが熟成するまでに時間がかかると言われています。その一方、今回含め3回に渡りプロダクトをご紹介させて頂いたJCの様に、着実に実績を作る日系IT企業も存在します。「カンボジア拠点の開発」ブーム到来も間近と想像しつつ、今後もカンボジア発のサービスに注目していきたいです。

JC-KA Family – App Store


NORI NAKAMURA / Writer
1987年生まれ。カンボジアに魅せられ幾年が経過しようとしている今日この頃。2014年8月より同地での生活を開始し、国際協力関連の仕事に携わる。興味が散漫過ぎるのが悩みの種。