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「単純作業は機械に任せて、人間は創造的な仕事を」自動コーディングはWeb制作の世界を変えるのか?—AUTOCODINGインタビュー

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デザインデータをもとに自動でHTMLを生成してくれる、自動コーディングツールのAUTOCODING。通常4時間程かかるようなコーディングもたった5分程度で仕上がってしまうと言います。しかもクオリティは人間がやった場合と比べて遜色ないとか。このIT業界を揺るがしそうなAUTOCODINGの生まれた背景と、今後の展開等についてお伺いしました。

マニュアル化できれば機械化できる?AUTOCODING誕生の背景

山本氏:弊社はもともとSEOを中心としたプロモーション支援の会社ですが、プロモーションのトレンドも変化していく中で、サイト自体の改善提案および制作業務も担うようになりました。制作の依頼が増えるにつれ、社内で体制を整えていくのですが、コーディングのリソースが不足している状況でした。
特に、納期がタイトなプロジェクトや、スクリプトを利用したサイト制作を対応するため、コーダーの負荷は高まる一方でした。

弊社は、リソース不足を補うために、ベトナムにコーディングのチームを作りました。チームを作り上げていく過程で、ベトナムへの依頼のルールを突き詰めていったんですよね。いわゆる「マニュアル化」です。そのときに、「マニュアルに落とし込めるのであれば、機械=コンピュータでもできるのではないか」、それを作れば「手作業で行うハンドコーディングの限界を超えるものになるのではないか」 と思ったのです。

「マニュアル化できるものは機械化してしまおう」という発想から、AUTOCODINGは生まれました。

AUTOCODING (オートコーディング)   デザインからコーディングを自動生成

思い通りのデザインを、スピーディに低コストで再現する

−−誰が使用することを想定しているツールですか?

黒川氏:一つはWebデザイナーです。デザイナーとしては、こだわって作り上げたデザインがそのままWebで再現されればいいのですが、実際に出来上がったサイトを見ると「ちょっと違う」ことがあると思います。これはHTMLを作成するコーダーとの間でコミュニケーションミスが発生しているからです。AUTOCODINGは自分自身でWebサイトを作り上げることができるので、本当に思い通りの表現ができるようになります。

もう一つは、ディレクターです。これまでコーダーチームに頼んで2週間かかっていたものが、2日程度で終わるようになるので、より早くプロジェクトを進めることができます。スピードに勝る価値はないと思います。

費用も1枚1000円ほどなので、もちろん国内の代行サービスと比べて安いですし、海外へのアウトソーシングを考えてもなお安いと言えるでしょう。しかも人間がやるよりは圧倒的に早いスピードで、一定の質のものを仕上げることができるので、時間とコストを大きく削減できます。

自動コーディングの精度のほどは?

−−どの程度の精度なのでしょうか?

黒川氏:表示自体崩れることはほとんどなく、90%以上の精度でデザインデータをHTMLにします。
もともとSEOの会社でもあるので、コーディングはSEO観点で完璧にしたいという思いがあります。Photoshopのレイヤーを整理した上でAUTOCODINGを使えば、見た目もコードもよりキレイな、再現度の高いコーディングを仕上げることができます。

HTMLに関しては人間と変わらない精度を実現できていて、CSSに関しては最初60点くらいの出来だったのですが、今回のアップデートで精度を上げています。

−−その精巧性はどのように実現できたのでしょうか?

黒川氏:AUTOCODINGや、その元となったマニュアルはもともと社内で使っていて、今のかたちになるまで3年くらい実績を積んでいます。

また、エンジンの中に大量のデザインパターンを読みこませ、「このパターンならこう」というものを学習させています。管理画面でベースの指示さえすれば、あとは機械が判断をしてHTMLを生成してくれるようになっています。

コーダーの仕事はなくならない?

黒川氏:機械化するというと、「コーダーの仕事がなくなるのでは」と言われたりもするのですが、それはあり得ない思っています。たとえばスクリプトを使ってページに動きをつける必要があれば、どういった動きにすべきかという「クリエイティブ」が必要です。同じ動きでもより早く、メンテナンス性の高いコードを書くにも「クリエイティブ」が必要。結局は人間でなければできないところと、機械化すべきところを見分けるこことが大事だと思います。現在、コーダーが人間がやる必要のないことに時間をかけすぎていて、もっと創造性が必要な部分に時間を割けていないことが問題だと思っています。

なぜAUTOCODINGを作ったのかというと、機械ができるところは機械にやらせて、コーダーが「しんどい」と感じているところを減らしたいと思ったのです。「しんどい」のはなぜかというと、好きな仕事ではないからだと思います。単純作業の連続は、非人間的で、誰しもテンションが上がりません。そういった部分は機械に任せて、人間は、よりクリエイティブな仕事をすべきだと考えています。

コーダーの仕事はなくなりません。機械のできないところ、より創造的なところをやっていきましょうということを提案したいです。

Web制作におけるインフラを目指す

−−AUTOCODINGの今後について教えてください。

黒川氏:まず先日(2015年5月)のバージョンアップをもって正式リリースとなり、それに際して料金の改定を行いました。

トライアル後は従量課金プランの他、フリーランス・法人それぞれに適したプランを用意しております。

また直近の機能として一つは、レスポンシブサイトへの対応や、生成したHTMLをそのままアップロードするサーバ環境を公開する予定です。
JavaScriptにも対応できていないので、こちらも優先して対応していきます。

販路としては海外展開も考えており、まずは東南アジアから販売を進めていきたいと思います。

最終的には、AUTOCODINGをWeb制作におけるインフラにしたいと思っています。コーディングをする「ツール」ではなく、デザインより後の、サイトが完成するまでの全工程を、人と機械が協力して作り上げてくれるプラットフォーム、そんなイメージです。

取材担当より

「自動で機械がコーディング」と聞くと、人間と同じ精度にすることは難しく修正に逆に時間を要すのでは?というイメージもあったのですが、実際に使用している人の体験談を読んでも、精度はかなりのもののようです。

私も以前、「5年後は海外に、30年後はコンピュータに?私たちの仕事が取って代わられるかもしれない日」という記事の中で、海外に仕事が取って代わられるのと同様にコンピュータに代替される仕事も増えるであろうことを書きましたが、AUTOCODINGは実際にそれが顕著に表れている事例と言えそうです。では、日本人として、人間として今後担っていくべきは?それを突き付けられているのかもしれませんね。いずれにしても、スピード・コスト共にメリットの大きい自動コーディングの活用は今後広まっていきそうです。その分動きを付けていく部分やクリエイティブの部分に関してリソースを投入することで、より創造性溢れるWebサイトが世の中に増えていくといいなと思います。

AUTOCODING Webサイト

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YUKA NUNOI /
ぬのちゃんと呼んでください。よく、人間ではない様々な生き物(あるいは生き物じゃないもの)に似ていると言われる。世界の行く先と、そこでどう行動すればいいかについて、皆さんと考えていきたいです。好きな国はウガンダ。