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FinTechで「経費精算」を変える ―個人でも企業でも使いやすい経費精算アプリStaple(ステイプル)のサービスづくり

クラウドキャスト株式会社が提供している「Staple(ステイプル)」は、電車移動等のスキマ時間に簡単に経費精算が出来るビジネスパーソン向けのクラウド型経費精算アプリ。忙しい月末に、スケジュールを振り返って電車の経路を調べて経費精算する作業にウンザリした経験のある方には、待望のアプリといってもいいでしょう。今回は、この便利なアプリ「Staple(ステイプル)」を開発したクラウドキャスト株式会社の取締役の藤垣氏と広報の湯本氏に、開発の背景について伺いました。

Staple

Suicaの履歴読み取りも可能に!経費精算にまつわるコストと業務量を削減

まずはStaple(ステイプル)というアプリについて説明をお願いします。

Staple(ステイプル)は経費精算に特化したアプリで、個人ユーザー向けの無料版と企業の経理担当者向けの有料版の2つを提供しています。個人版では、スマホから経費データを入力したり、領収書をカメラで撮影してクラウドに保存し、そして、その経費データをCSV形式でエクセルに出力してから、社内の経費申請システムで申請を行うことができます。

チーム版では、個人版の機能に加えて、上長や経理担当者が、所属チームのメンバーが提出したレポートを確認し、承認や却下を選択することができます。入力漏れがあった際は、メッセージ機能でやりとりすることができます。このアプリによって従来の煩雑な業務フローをシンプルに改善したいと考えています。

チーム版に関しては、従業員20名〜100名程度の企業を対象にしています。従業員数が多いと経費承認のフローが複雑化するので、Staple(ステイプル)は100名程度の企業が相性は良いと考えています。大企業に関しては、部門単位や展示会イベントなどの利用を想定しております。

また、バージョンアップに伴いSuica等の交通系ICカードの履歴読取も可能になりました。これにより経理担当者は、チームメンバーが定期と交通費の二重請求をすることを防ぎ、コストと業務量の削減につながります。

Staple2リーダーPC画面

Stapleが他の会計系のアプリと比べて違うところはどこでしょうか?

前述した交通系ICカードの履歴読み取り機能に加えて、他の会計システムとも連携している点も大きな特徴だと考えています。弥生会計・勘定奉行・freee・MFクラウド会計・A-SaaS・Freewayといった会計システムと連携をしているので、アプリに入力したデータはこれらの会計システムのフォーマットにCSV形式で出力したデータをインポート可能になっています。

また、Yahoo!乗換やNAVITIMEとも連携しているので、ルートを検索してすぐに、その交通費をStapleに入力できる点も特徴です。
Stapleは経費精算に特化したビジネスパーソン向けのアプリなので、家計簿型のアプリともクラウド型の会計ソフトとも被らない、現状あまり競合が存在しないサービスと言えると思います。

また、ユーザーも幅広く、個人で使う人もいれば、その個人版の評判を受けてチームで導入する企業もあります。その結果、App storeで「経費精算」と検索していただくと、Stapleが一番に出てくるようになっています。

クラウドは、エクセル以上基幹システム未満の領域に導入する時にインパクトが大きい

どうして経費精算に特化したアプリを開発しようと思ったのですか?

はじめにリリースした「bizNote Expense」は出資元でもある弥生会計の補完的な役割を果たすアプリだったのですが、経営者向けのインターフェイスであったため、「個人の経費精算に特化してほしい」というユーザーからのフィードバックがあったことを反映してStapleを開発しました。

元を辿ると、代表の星川が前職の日本マイクロソフトで働いていた時に、あの会社でさえも経費精算がエクセル入力で面倒だったという実体験が開発のきっかけとなっています。従来の経費精算は非効率的な作業であるにも関わらず、そこを改善しようとするプレイヤーがいなかったこと、経費精算とクラウドの相性がよかったことも要因です。クラウドは、エクセル以上基幹システム未満の領域に導入する時にインパクトが大きいと感じています。

従来の紙とエクセルベースの経費精算の仕組みが変わらない原因はどこにあると考えていますか?

法律によって、原則、領収書の保管に関しては7年間の原本の保存が義務付けられている点が大きいと考えています。最終的に紙で保存しなければならないと、従来の仕組みが変わらず、なかなか電子化が進みません。
しかし、27年度の税制改正によって、スキャナを用いた電子書類での保存の仕組みが見直されました。従来の額面3万円以下に限定されていた金額基準が撤廃されて、どの金額の領収書でも一定の条件を満たしてスキャナ保存すれば原本を廃棄することも可能になりました。さらに今後は、スキャナではなく、スマートフォンでも領収書を撮って保存すれば、原本廃棄を可能にするように検討しているそうです。

ブラウザだけでなく、アプリを開発した意図はどのようなものだったのでしょうか?

デバイスとしてスマートフォンが進化している中で、スマートフォンが持つ機能を最大限に引き出せているのは、今はアプリだという実感があります。回線を使わなくても操作できる点でもアプリが使いやすいという印象です。

staple3

海外のエンジニアとのリモートワークやクラウドソーシングを利用したユニークな開発

開発における工夫が何かありますか?

開発の中心部分は外国人のエンジニア3名で担っています。また、マレーシアやロシアといった海外のエンジニアもリモートで働いています。代表の星川が前職で海外のエンジニアと働く機会が多かったので、その経験に基づいて、開発当初から海外のエンジニアと協働する目論見でした。また、ロゴに関してもクラウドソーシングを活用して募集した中からヨーロッパのデザイナーが提案したものに決定しました。UIに関してもシンプルさと使いやすさにこだわって設計しています。瑠璃色をベースとする色味に関しても代表の想いが込められています。

今後の展望についても教えていただいてもいいでしょうか?

短期的には5月にリリースされたばかりの交通系ICカードの読み取り機能をプロモーションしていきたいと思っています。赤坂や渋谷のコワーキングスペースにStapleリーダーをインストールしたタブレットを設置しました。また、チーム版の年間プランに申し込んだ方にタブレットをプレゼントするキャンペーンも8月末まで行っております。まずはそこから口コミを広げていきたいですね。

海外で使った経費を外貨で入力しても、基準通貨で表記してくれるマルチカレンシー機能も実装しているので、海外から出張でくる外国のビジネスパーソンにも使ってもらいたいと考えています。

長期的には、お金周りに特化せずに、勤怠管理などビジネスにおける既存の非効率的な作業をクラウドを用いて改善していき、ビジネスパーソンが本来するべき業務に専念できる環境を作っていきたいですね。

取材担当より

実際にアプリを触ってみると、洗練されたデザインとUIに感動しました。しかも3名の外国人エンジニアが、海外にいる10名ほどのクリエイターと協力しながらリモートでものを作り上げていると。それはこれまで日本の企業にはあまりなかった開発スタイルですが、Staple自体が世界の叡智を集めてハイクオリティなものを作れるということの証明になっているかもしれません。

またStapleは、「経費精算」という会社の業務にまつわるサービスにもかかわらず、一個人、一従業員にまず使ってもらい、最終的に会社に導入してもらうという流れの設計がユニークであると感じました。

日本はアメリカなどと比べてこうした業務のクラウド化(エクセル脱却!)が遅れているようですが、そこには法律自体が大きく関係していることを先日freeeのインタビューから引き続き伺うことができました。行政自体も「電子化」に向けて頑張っている最中であるそうなので、そこが進んでいくと、経費精算やその他業務に関する効率化が加速しそうです。

スライド1
(クラウドキャスト株式会社提供)

上の画像のように様々なスタートアップが参入し、注目を集めるFintechに今後も目が離せないですね。

Staple(ステイプル)

sekai-labSEKAI LAB TIMES(セカイラボタイムス)は、アプリ・Webサービス開発を世界中のエンジニアチームに依頼・発注できるグローバルソーシングプラットフォーム「セカイラボ」が運営しています。詳しくはこちら


MAITO NAGASHIMA / Internship
セカイラボでインターン中の学生です。社会人に間違えられることが多いですが、大学生です。グローバル化が進む時代をどう面白く生きていこうか思索しながら、バイト先の映画館でポップコーンをつくる日々を過ごしています。好きな国はスウェーデンです。