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“応援”を軸に人・モノが集まるプラットフォームを作る―アイドル応援アプリ「CHEERZ」のフォッグが掲げるプラットフォームの定義とは?

アイドルの写真を見て、応援できるアプリ「CHEERZ」を運営するフォッグ株式会社。リリース時まったく無名だったところから1年で様々な企業とタイアップするまでに至った背景や、会社として目指すビジョンについて、代表取締役の関根氏にお話を伺いました。

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「CHEERZ」とは?
400名以上のアイドルが参加し、自撮り写真やスナップ写真などを投稿。
ユーザーは投稿された写真に対し「CHEER(応援)」を送ることで、
アイドル達の活動の幅を拡げたり、様々なメディアや広告に出演する
チャンスを作る事ができる、ユーザー参加型のアイドル応援アプリ。
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流行に左右されないプラットフォームを作る

――会社のHPを拝見したところ、「新たなプラットフォームを作る」ことをビジョンに掲げていらっしゃいますが、これはどういった想いがあるのでしょうか?

ビジョンに関しては、自分自身の経験が大きいです。私は、Web業界に入って10年ほど経ちますが、ずっとゼロイチの企画を手がけてきており、音楽系のアプリなどをリリースする中で、プラットフォームが一番強いということを実感しました。例えばアプリだったら、AppleやGoogleが定めたルールに従わないと、リリースすら出来ませんよね。

そうした実感に基づいて、簡単に作ることができないことはわかっていましたが、流行に左右されないプラットフォームを作ることを目指そうと思ったことがビジョンの由来になっています。

――アイドルの写真を見て応援できるアプリ「CHEERZ」もそのビジョンに基づいて開発されたサービスですか?

CHEERZが今の形になるまでは紆余曲折がありました。当初は、弊社で以前から手がけていた連絡帳アプリ「iam」に、アイドルの情報も交換できる機能を加えようとしていました。しかし、その過程でアイドル市場について調べていくうちに、自分たちの持つWebやデジタルの知識が活かせる余地があることがわかり、この市場で本格的なサービスを一から始めようという話になりました。そこで、どうやったらアイドル市場で自分たちがプラットフォームになれるのかを議論し、その議論を通じて、アプリならではのゲーミフィケーションを用いて、アイドル好きの人々と、彼らが好むコンテンツが集まる今の「CHEERZ」の形が出来ました。

リリース当初は全くの無名でしたが、アイドルにとっても、CHEERZ経由でTwitterのフォロワーが増え、ライブに参加してくれた方がいるといった効果が出ているので、現在では業界関係者の間でかなり知られた存在になっていると感じています。問い合わせも順調に増え、講談社主催の女の子オーデションプロジェクト「ミスiD2016」などとタイアップもしています。

――ちなみに関根さんはプラットフォームをどのように定義していますか?

プラットフォームは「ヒトとモノ」が集まり、そこに決済などの様々な仕組みが組み込まれていく場所だと考えています。重要なのは、決済システムがあって、お金の流通があることですね。加えて、企業やユーザーが参加しやすい場所がプラットフォームとして機能すると考えています。詳細はまだお伝えできませんが、そういう意味ではCHEERZはまだ道半ばなんです。

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CHEERZで現状のアイドルビジネスの課題を解決したい

――競合と比べた時にCHEERZの強みはどこにありますか?

運用がしっかりしている点と、事務所を始めとする関係者との信頼関係をしっかり築いている点ですね。

私たちが、CHEERZを始める際に念頭に置いていたことは「アイドル市場の拡大」です。
AKB48のブレイクによって、アイドルを応援することは一般化し、アイドルの数は増えましたが、結局アイドルファンの母数がそれほど増えていないという問題があり、このままでは市場が縮小していくという見方もできます。また、既存のアイドルビジネスは、ライブの売上やライブ会場での物販など、大半がリアルでの収益で成り立っています。

そういった現状を踏まえた上で、CHEERZは様々な工夫を行っています。

まず、ランキングだけだと、人気がある子にだけ注目が集まってしまうので、1ヶ月間毎日写真を投稿してくれたアイドルを「皆勤賞」としてピックアップし、努力が報われやすい環境を作っています。また、CHEERZ BOOKという紙の雑誌も作っているのですが、その雑誌では、女性ファンも取り込めるような紙面作りにしたり、前述した皆勤賞をゲットしたアイドルは紙面に載ることができます。こういった工夫によって、アイドル自身にもCHEERZを好きになってもらうと同時に、質の高いユーザーの獲得にもつながると考えています。

「ナタリー」や「ミスiD2016」らとタイアップ

「ナタリー」や「ミスiD2016」らとタイアップ

課金売上の一部を事務所に分配していることも工夫の一環です。従来この市場でプラットフォームに近い形として機能していたのはファンクラブだったのですが、ファンクラブは、事務所側の稼働時間も増えますし、既存のファンにしかリーチしない仕組みでした。しかし、CHEERZはTwitterと同じ行為をするだけで参加できるので、稼働時間も変わりませんし、元々のファンではないけれども、アイドル好きの人々にリーチすることが可能です。加えて、新たなキャッシュポイントも発生するので、事務所側にもメリットがある仕組みです。

このような工夫を通じて、アイドル市場を理解して、アイドル市場に関わる人が喜ぶことをしていることが業界関係者との信頼関係を築く上で重要だと思っています。弊社には、業界出身の社員が多いので、しっかりこの辺りに気を配ることが出来ています。エンジニアも、ライブ会場に顔を出し、市場をしっかりと理解した上でシステムの作成に携わるようにしています。

サービスを担うメンバーの実態

――業界出身の社員の方は、サービス開始以降に加わったのですか?

社員の多くは当初からいたメンバーです。私は以前、歌詞サービスを手がけていたので、その時に音楽業界の方と接点が多かったことが、メンバーに業界出身者が多いことにつながっていますね。前述したCHEERZ BOOKという雑誌においても、若手クリエイター中心に仕事を依頼したのですが、彼らとの人脈も弊社のメンバーが持っていたものです。この業界は信用第一な所もあるので、他社さんとのタイアップ企画の時もメンバーの人脈は欠かせないですね。

――他社さんとのタイアップなどの企画は持ち込みが多いのですか?

弊社から持ち込むパターンと問い合わせをいただくパターンとで比率は半々くらいです。ただ、元々ゼロイチの企画は私たちの得意領域なので、単なるタイアップに終始しないように、クオリティの高いものを作るようにしています。加えて、企画を立ててから、形にするまでの早さには自信があります。これは、弊社のエンジニアがよく働いてくれることが大きいですね。

――エンジニアは何名いらっしゃいますか?

開発者は10名ほどです。アプリに関しては、担当者を決めていますが、Webサーバー周りの開発は、ノウハウの属人化を防ぐために、案件ごとにフレキシブルに対応する人を決めています。

――機能の改善は、どのような仕組みで行っていますか?

2週間に1回のペースでアップデートを行っています。最初にディレクターが、周囲から集めた意見を元に、たたき台となる仕様書を書いた後、僕や上司などが様々な観点から意見交換をして、ディレクターが再度仕様書に落とし込みます。

弊社はブレストのMTGはあまりせず、一人が改善案をまず全部考えるというスタイルを取っています。そのほうが時間がかからないですし、案を考えた人の成長につながりますね。

今後のキーワードは「応援」

――すでに男性版の「CHEERZ for MEN」がスタートしていますが、今後は横展開を進めていくのでしょうか?

そうですね。今後は「応援」を軸とするプラットフォームとして横展開をしていきたいと考えています。近年、体験にお金を払う人が増えていることはよく言われていますよね。音楽市場を例にとると、CDより、フェスやライブの売上の方が重要になってきています。私たちも、そういった体験に高い熱量を持って参加している人をターゲットに横展開を進めていきたいと思っています。「CHEERZ for MEN」もその一つで、2.5次元舞台というアニメやゲームを基にした舞台を手がけているマーベラスと協業することになりました。「CHEERZ for MEN」はアイドル版CHEERZとユーザーが異なるので、デザインの見せ方なども変えています。

CHEERZは、現状ファンを増やす仕組みはありますが、ライブに足を運んでもらうための仕組みがまだ十分整っていないので、今後は改善していき、アイドルのイベントを、夏フェスのように気軽に参加できるものと捉えられるようにしていきたいですね。

CHEERZ for MEN

CHEERZ for MEN

――最後に、非IT系の方で新規事業としてアプリやWebサービス開発に関心がある方に向けて、経験豊富な関根さんからアドバイスをいただけますか?

非ITの人は、下手に自前でやらない方がいいですし、アプリってそんなに儲からないよって言いたいです(笑)。どうしてもやりたい場合は、知識がある知り合いやプロに、お金を払ってでも頼った方が良いと思います。Google StoreやApp Storeは、様々なルールがあり、市場環境がコロコロ変わるので、知識のない新規事業者が企画書書いても、残念ながらプロに勝てる訳がないんですよね・・・まずは成功体験を持つプロに、ノウハウだけでも聞いた方がいいですね。最後にこんな話になってしまいましたが(笑)

取材担当より

会社としての「新たなプラットフォームをつくる」というビジョンや明確な“プラットフォーム”の定義、そして「応援」というキーワード、これは今後フォッグ株式会社のサービス展開の重要な軸になっていくのではないかと思いました。熱量の高いユーザーをプラットフォームに集める、だからこそ法人側にもメリットが大きいということは重要なポイントであると感じます。「応援」には様々なチャンスが潜んでいるのかもしれません。一方で、「市場の拡大」というミッションは「簡単ではなさそう」という印象もあります。「これまでAKB48などのスーパーアイドルと、それ以外、という図式だったところに、その中間の層を作る」ということを仰っていましたが、まさにそこに市場拡大のチャンスがあると同時に、熱量のとても高いユーザーとの関係性においてせめぎ合いがあるのではとも感じました。いずれにしても今後の「CHEERZ」の展開と、様々な分野への横展開というところ、非常に楽しみです!

sekai-labSEKAI LAB TIMES(セカイラボタイムス)は、アプリ・Webサービス開発を世界中のエンジニアチームに依頼・発注できるグローバルソーシングプラットフォーム「セカイラボ」が運営しています。詳しくはこちら


MAITO NAGASHIMA / Internship
セカイラボでインターン中の学生です。社会人に間違えられることが多いですが、大学生です。グローバル化が進む時代をどう面白く生きていこうか思索しながら、バイト先の映画館でポップコーンをつくる日々を過ごしています。好きな国はスウェーデンです。