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いま改めて考えるオウンドメディアの基本理解と存在意義とは

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みなさん、こんにちは。現在、インターネットメディア界隈では株式会社ディー・エヌ・エーが運営する医療系メディアWELQが掲載する記事の信頼性が著しく低いということで、ちょっとした騒ぎになっています。この騒動を受けて、WELQは2016年11月28日に下記のようなお知らせを配信しました。

【お知らせ】「専門家による記事確認」および「記事内容に関する通報フォームの設置」について

たくさんの人に読んでもらいたい、そのためには記事を大量に作成しなければならないが、そのクオリティのコントロールも難しい。。。同じインターネット界隈で文章を書く人間として、このジレンマに少なからず共感してしまう部分もあります。しかし、読者の側に立ってみればそれは作成者側の都合にすぎません。本当に価値のあるコンテンツを生み出すためには、たとえ苦しくても読者にとって何が一番かを常に考えて産みの苦しみに妥協してはいけないよなと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、今回はコンテンツマーケティングについて改めて考えてみたいと思います。ここでは、コンテンツマーケティグ=オウンドメディアと定義させて頂きますが、そもそもこのSEKAI LAB TIMESも何のためにやっているんだっけ?という原点を振り返る意味でも、皆さんとオウンドメディアについておさらい出来ればと思いますので2分ほどお付き合いください。

そもそもオウンドメディアって何?

近年何となく日本でも定着した感のあるオウンドメディアという言葉ですが、前提としてどのような基本定義なのでしょうか。

オウンドメディアとは、自社で所有・管理をしているメディア(情報媒体)・コンテンツのことを指します。

自分たちの会社で構築・コントロールしているプラットフォームのメディアにコンテンツを配信していれば、Webサイト/ECサイト/メルマガ/アプリなどもオウンドメディアという言葉に内包されます。ですので、会社のブログだけがオウンドメディアというわけではありません。(一般的なイメージはブログですが。)

なぜオウンドメディアが日本で注目されているのか:トリプルメディアの概念

日本では従来より、マスメディアの力が非常に強い時代がありました。しかし、最近ではテレビも観ず、新聞も読まないでネットニュースで済ませるという層が若者に限らず、30代以降の年齢層にも着実に拡がってきています。そのような背景から、企業のマーケティング活動も変化が起きており、その時代の流れに対応するためにオウンドメディアというものが注目されています。下図がトリプルメディアと呼ばれるメディアの関係図です。

トリプルメディア図

トリプルメディア図

オウンドメディアの定義については、先ほど触れました。残る2つも私たちが日常的に接するものです。

ペイドメディア

ペイドメディアは、(Pay=支払う)という言葉が示す通り、広告主がお金を支払ってコンテンツを掲載する媒体を指します。普段、皆さんが街を歩いていて日常的に接する「広告」がこのペイドメディアに当たります。テレビ、新聞・チラシだけでなく、インターネット上のバナー広告やリスティング広告、ネイティブアドなども含まれます。

アーンドメディア

アーンドメディアは、(earn=獲得する)ことが目的のメディアです。ここでの獲得とは、ユーザーの反応による信頼や評判のことを指します。ユーザーの認知と良い印象を得るために、現在様々なメディアが存在します。(ex.Facebook/Twitter/YouTube/Instagram/NAVERまとめなど)

しかし、アーンドメディアは冒頭でも述べた騒動のようにあっという間にその噂が拡散されてしまうので、一度火が着いたらなかなか鎮火することが難しいので、慎重に使い方を考えなければいけません。

3つのメディアを効率よく活用する

上に挙げた3つのメディアは、それぞれ独立した性格を有していますが、近年の流れではその組み合わせ技が重要になってきています。私自身も日々、感じていることですが、多くの人に自分たちのコンテンツを意図的に知ってもらうためにはそれ相応の努力をしなければいけません。ただコンテンツを生み出して終わりではなく、それをどのように工夫してユーザーに届けるかを考える必要があります。

例えば、記事を書いたら必ずSNS(アーンドメディア)に掲載する、セミナーのお知らせや幅広い層に告知したい場合はお金を払って掲載(ペイドメディア)してもらう。など、従来のマーケティングと新しい手段を対立させるのではなく、上手にミックスさせてそのコンテンツの価値を最大限引き出すことがオウンドメディアを運営していく上ではマストなのです。

じゃあ、オウンドメディアってどんなメリットがあるの?

皆さんは、自分の欲しい家電や本を購入する時、どのような行動を取るでしょうか。まれに、お店で見て一目惚れして買ってしまった!!ということはあると思いますが、事前にその商品の口コミや評判をインターネットで検索してみて安心してから購入することが多いのではないでしょうか。

ことさら、BtoB企業が他社企業のサービスを購入したり導入する際には、一目惚れしたから速攻1000万のサービスに投資するわ!!といった景気のいいベンチャーキャピタルのような現象は非常にまれでしょう。まずは、公式サイトやその会社が主催しているセミナーで情報を入手して、みんなで検討するという流れでしょう。

オウンドメディアの良いところは、その企業の信頼度を高める=ファンを作る。という効果がある点です。そうしてファンになった顧客は、長期的な価値:LTV(Life Time Value)が向上しやすいのです。公式ページや話し言葉だけでは伝えられなかった細かい情報やビジネスとは直接関係がない情報も伝えられるのも魅力です。ちなみに私自身も、ある声優アイドルが出した新曲はファンという理由だけで、曲を1度も聴いていないのにとりあえず信頼してるから買うという行動をします。(これは例えが悪いですね。)

信頼されるためには何をだしていけばいいのか。一言で言うならこれしかありません。「ユーザーにとって役立つ情報をアウトプット出来ているか」

これしかありません。

コンテンツの種類

ユーザーは何を望んでいるのかを正確に分析してロックオンして、SEOも完璧で!のような記事が書けたら最高です。しかし、実際の現場ではGoogleの検索アルゴリズムは常に変化し、ユーザーの関心もその瞬間瞬間によって変化し続けています。なので、コンテンツを作成する人は常にいま読者は何を望んでいるんだろうと想像しながらコンテンツを選定していくことが大切です。

以下では、オウンドメディアでよく見かける記事カテゴリーを並べています。

お役立ち系記事

ユーザーやターゲットの課題を解決するための具体的メソッドが記されているコンテンツ。自社サービスとユーザーとの距離を縮めるのに効果的。

(参考サイト)
すぐ禁煙.jp/運営:ファイザー株式会社
BASE U/運営:BASE株式会社
Six Apartブログ/運営:シックス・アパート株式会社

専門的な内容のコンテンツ

ニッチな範囲で専門的な内容のコンテンツは、狭く深く知ることが出来る情報が満載なので、企業の技術力などをアピールする際に役立ちます。

(参考サイト)
制御機器知恵袋/運営:株式会社パナソニック
コナミメソッドまとめ/運営:株式会社コナミスポーツクラブ

会社・サービスの裏側を発信系記事

その企業が持つ社内文化やサービスの裏側に関心を持っているユーザーは意外と多いものです。積極的に内側を見せていくことで、親近感や製品の信頼性を獲得するのに役立ちます。

(参考サイト)
THE BAKE MAGAZINE/運営:株式会社BAKE

オウンドメディアの成功とは何かを考える

オウンドメディアのゴールをどこに設定するかでコンテンツの内容や方向性は変わってきます。

下記の図は、アメリカのマーケティング支援会社が発表したコンテンツマーケティングのゴールです。これを見ると、顧客情報の取得や育成を目的としたメディアが大半のようです。

出典:http://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2015/09/2016_B2B_Report_Final.pdf

出典:http://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2015/09/2016_B2B_Report_Final.pdf

リソースを投下して本格的に取り組むとなれば、最終的には製品を買ってもらえるためのきっかけ作りまでもっていければ理想です。またこのタイムスのように、セカイラボというサービスのことをもっとみんなに知ってもらいたい!好きになってもらいたい!というブランディング的な要素をゴールに据えているメディアもあります。

ただ、オウンドメディアを始める上で気をつけなければならないことは、最低半年以上は運営を続けなければ成果や反応は見えてこないということです。ある程度長い時間をかけて、顧客と関係性を築いていくという意識と我慢強さは必要でしょう。

オウンドメディアはユーザーとの架け橋となるコミュニケーションツール

このSEKAI LAB TIMESを担当してから、このメディアをきっかけに取材のご依頼や話のネタになったり、営業的な効果が出たり、様々な新しい繋がりが生まれたと感じています。

オウンドメディアの運営の仕方などについては、その難しさや面白さなどまだまだ語り足りませんが今日はここまで。

この記事をきっかけに本メディアに興味を持った方やもっと話を聞きたい!というお声がありましたら、今後、オウンドメディア系記事も増やしていきたいと思います。ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。

【参考文献・サイト】
・深谷歩著『自社のブランド力を上げる!オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社、2016年)
・コグレマサト・するぷ『プロ・ブロガーの必ず結果が出るアクセスアップテクニック100〜ファンにも検索エンジンにも好かれるブログ運営の極意〜』(インプレス、2013年)
・https://innova-jp.com/owned-media-meaning/
・http://xn--cckbip0mla2orf.com/


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
2代目SLT編集長。運営元のモンスター・ラボでは広報も担当。ITエンジニアの採用方法や人材不足に関する記事を執筆しています。好きな食べ物は馬肉。趣味は街を徘徊すること。声優ネタ、サブカルネタも好物です。お問い合わせはお気軽にこちらまで→ monstar-info@monstar-lab.com