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『分散型メディア』は何故、次の時代のメディアなのか。

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近年、FacebookやTwitter等のSNS上で面白くてつい長時間眺めてしまうコンテンツが増えてきました。可愛い猫や犬が戯れている海外動画もあれば、企業の工夫を凝らしたプロモーション用の投稿などもフィードで自然と流れて目にする機会も多いですよね。

これまでの一般的なSNSの使い方としては、自社サイトやブログに誘導するための動線として活用されていました。このSEKAI LAB TIMESも記事を投稿したら、各SNSにリンクをシェアするようにしています。

しかしながら、そうした一箇所の場所にユーザーを集めるという方法だけでなく、最近では『分散型メディア』という方法でSNS上で自社コンテンツを作成・拡散する企業も増えてきました。今回は、そんな『分散型メディア』というメディア手法を紹介いたします。

分散型メディアの特徴

分散型メディアとは、各SNSの特徴に沿ったオリジナルコンテンツを作成・拡散するメディアのことを指します。つまり、伝えたいことは同じ場合であっても、FacebookにはFacebook用のコンテンツ、TwitterやInstagramにはその雰囲気や仕様に沿ったコンテンツを作って、ユーザーに届けるというわけです。この方法を取ることによって、よりone to oneに近いコンテンツマーケティングが可能になったのです。

分散型メディアの特徴

分散型メディアの特徴

従来のメディアでは、その媒体がどれだけユーザーの目に触れたのかを測るためにPV(ページビュー)というものをKPIに設定するのが一般的でした。一方、分散型ではPV単独ではなく、それぞれのSNSに投稿したコンテンツに触れた数(クリック数や視聴時間など)を総合したContent Viewsが目標となる数字になります。

つまり、ユーザーに一生懸命リンクを踏んでもらうというよりも、いかにそのコンテンツを閲覧してくれている人たちの生活に馴染めるのかという点が非常に重要になってきます。

なぜ、分散型メディアが話題になるのか

なぜ、今になって分散型が注目されるようになったのでしょうか。それは、ユーザーの1日の時間をスマホアプリ、特にSNSが独占するようになったからです。株式会社ニールセンが2015年に発表した統計によると、18歳以上の男女のアプリ利用時間は、日本の場合はトップからLINE、Twitter、Facebookと主要コミュニケーションアプリが全体の35%も占めていたという結果が出ています。(参考リンクは以下から。)

スマホアプリ利用時間の約35%はコミュニケーションで消費、1位は「LINE」~ ニールセン、スマートフォンアプリの利用状況を発表~

PCでホームページを探すという経験を飛ばして、スマホで初めてインターネットに触れたという若者にとっては、企業の特定のページにわざわざ行くよりも、普段から見慣れているSNSやコミュニケーションアプリから情報を取得するほうが楽だということは容易に想像が出来ます。

分散型メディアのメリットとデメリット

メリット:日常化と制作コストの削減

先ほども言及したように、SNS上でコンテンツを生み出すことによってそのコンテンツは、外部からのものではなくそこで生まれたものとしてユーザーの目に触れるため、自然なコンテンツ体験を実現することが出来ます。また、わざわざ管理画面からhtmlのタグ付けやSEO(検索エンジン最適化)の知識をフル稼働して時間とコストを掛けて制作する手間が前者と比べて少ないです。

デメリット:媒体数に応じた制作コストとブランドの統一

しかし、いい面もあれば悪い面もあります。例えば、主要SNS2つに絞りコンテンツを発信していくならそこまでの苦労ではないかもしれません。しかし、いくつもの掲載媒体で広くコンテンツを出していこうとすればもちろんその分だけ制作コストはかさみます。また、複数の媒体で異なる内容のコンテンツを出し続けると、Facebookでの情報とTwitterでの情報の発信者が同一と認識されず、ブランディングの統一化が難しくなるということが考えられます。

その点、オウンドメディアのような情報発信をする媒体が一つだと、方向性を書き手も読者も迷うことは少なくなります。

海外事例から見る分散型メディアの先駆者

Buzzfeed

https://www.buzzfeed.com/

https://www.buzzfeed.com/


元祖バイラルメディアの呼び名も高い世界最大級のニュース&エンタメサイト『Buzzfeed』。日本版だけでもいいね数は、215,103件。(2016年12月現在)

月間ユーザー数は2億人を誇り、特定のジャンルに絞らずとにかくキャッチーなタイトル記事と動画コンテンツは、皆さんの目にも触れたことがあるのではないでしょうか。

NowThis

https://nowthisnews.com/
NowThisのトップページにはこんな言葉がシンプルに大きく打ち出されています。

HOMEPAGE.EVEN THE WORD SOUNDS OLD.WE BRING THE NEWS TO YOUR SOCIAL FEED.(編集訳:ホームページはもはや古い。私たちはあなたのソーシャルメディアのフィードにニュースを届けます。)

NowThisの公式ページ自体にはコンテンツは存在せず、あるのはFacebookをはじめとしたSNSへのページリンクのみです。遷移先のコンテンツの再生数はどの動画でも何百万回再生と、とてつもない再生数を確認することが出来ます。

私たちはどうしたらいいのか

今回は分散型メディアについて紹介いたしましたが、私たちはもうオウンドメディアから卒業しなくてはいけないのでしょうか。私は、まだその段階になる程には、成熟していないのではないかと思います。

分散型メディアはもちろん、現代の時代に沿った最適なコンテンツ提供方法の一つであることは間違いありません。しかし、デメリットの部分でも触れたように、統一したブランドメッセージや企業の伝えたい一貫したメッセージ、集約した情報を閲覧出来る場所という文脈では不十分な部分があると感じます。しかし、この両者を併せて上手く活用・運用が出来ればその影響力は計り知れません。

適切な場所に適切な手段で適切なコンテンツを発信していくことが、オウンドメディア運営にとって大切なことなのではないでしょうか。
オウンドメディアの未来に想いを馳せつつも、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。

【参考文献・リンク】
・『宣伝会議 2016年12月号』74頁〜76頁
分散型メディアが作るパブリッシャーの未来
いまさら聞けない、分散型メディアとは
もう自社メディアはいらない?分散型メディアでコンテンツは流通する
「Buzzfeed」や「NowThis」……海外でイケてる分散型メディアのPVに代わる効果測定指標とは何か

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花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
2代目SLT編集長。運営元のモンスター・ラボでは広報も担当。ITエンジニアの採用方法や人材不足に関する記事を執筆しています。好きな食べ物は馬肉。趣味は街を徘徊すること。声優ネタ、サブカルネタも好物です。お問い合わせはお気軽にこちらまで→ monstar-info@monstar-lab.com