グローバルソーシング

海外ではウケない?!グローバル市場における日本オリジナルコンテンツの未来とは

出典:ブラックジャックによろしく(http://www.tadapic.com/blackjack_detail.php?id=bj01_ja-45&tag=0&p=0)

出典:ブラックジャックによろしく(http://www.tadapic.com/blackjack_detail.php?id=bj01_ja-45&tag=0&p=0)

2002年以降、「クール・ジャパン」という言葉が一般的な認知を徐々に獲得し、2017年現在に至るまで経済産業省を中心に、日本のマンガ・アニメ・ゲームなど日本由来のコンテンツを武器とするため、「クール・ジャパン戦略」の名の下に様々な大規模なイベントやキャンペーンなどの施策が世界市場に対して試みられてきた。

しかし、毎年約400億円(平成28年度は376億円)という税金が投入されているにも関わらず、散発的に話題にはのぼるものの、クール・ジャパン戦略が成功しているという話題を耳にする機会は多くない。

参考:
クールジャパン、なぜ国の主導だと失敗?無駄で誤った予算の使い方と、戦略の欠如
本当に世界の人は日本のポップカルチャーに夢中なのか? 政府の「クールジャパン戦略」はこれだけズレている!
平成28年度クールジャパン関連予算

今回は、日本由来のコンテンツ(マンガ・アニメ・ゲーム)がグローバル市場でどのような立ち位置なのか、約4,000名の(海外も含む)漫画家と提携し、編集者AIサービスを展開する、株式会社あれをこれして代表の坂本氏へのインタビューを交えながらお届けしたい。

前回インタビュー記事:編集者AIで漫画作りが変わる!?株式会社あれをこれして代表坂本氏に聞く、漫画家・編集者のためのプラットフォーム創りとは?

日本のコンテンツは海外市場の2%

平成27年7月に経済産業省から発表された『コンテンツ産業の現状と今後の発展の方向性』というレポートによると、海外市場全体における日本のコンテンツが占める割合は、2%程度だ。

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ここに大きなチャンスがあると考えているのが政府の方針だが、この予想外の数字のギャップにこそ、編集者AI(編集サポーター)の狙いがあるというのが坂本氏の考えだ。

シンガポールで見た日本コンテンツの弱さ

ーー先日、シンガポールへ出張されたそうですが、どのような印象を受けましたか?

坂本氏)
シンガポールの中でもセントサ島という、島全体がテーマパークのようになっている世界中のコンテンツが集まる場所で、アジア最大級のイベントがあったのですが、パーティで流れる曲は少し前のアメリカの曲か、韓国、中国のものばかりで、日本の曲は一曲も流れなかったのがとても印象的でした。

私が実際に目にしたのは、ポケモンGOくらいでしたね。

日本のマンガなども探してみましたが、全然売っていませんでした。

ーーそれは意外ですね。かなり大きなイベントだったようですが、参加者はどんな人種の方が多かったのでしょうか?

坂本氏)
主にインドやベトナム系の方が8割くらいでしょうか。あとは韓国・中国系で日本人は全くと言っていいほど見かけませんでした。

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ーー坂本さんは、海外の漫画家さんとも提携をされていますが、何故日本のコンテンツを輸出するという方法をとらないのでしょうか?

坂本氏)
アジアで人気のコンテンツは、昔日本で流行ったようなアニメが未だに主流です。新しい日本のマンガやアニメを売り出そうとしても、売れるだけの市場が少ないのではないかというのが今の仮説です。(実は日本のコンテンツにあまり関心を持たれていない?)最近の海外向けコンテンツを発信している企業の動向をみても肌でそう感じますね。

なので、弊社では、日本で生まれたコンテンツは日本で育て、海外市場には、海外(その国・その場所)で生まれたコンテンツを育てていくという戦略をとっています。(しかし、この過程で貯まるデータこそ、編集者AI(編集者サポーター)にとっての一番の栄養です。)そのために、約4,000名(海外の漫画家を含む)とも連携しています。

ーーどの国の漫画家さんから問い合わせが多いですか?

坂本氏)
インドネシアの方が一番多いですね。やはり、日本自体に強いあこがれを持っていただいてる方も多いようです。

ーー坂本さんのお考えと今後の展開などありましたら教えて下さい。

坂本氏)
海外への流通を簡単に諦めたり、捨てたりする必要はないと思います。

ですがやはり、現地の文化があるから、現地出身者の方が発信するコンテンツの方が強い。だからこそ現地出身者を使って、データを試させてる意味が出てきますし、そのデータを活用して日本の漫画家を海外へ、海外の漫画家を国内へと応用出来ると思っています。

漫画もそうですが、文化芸術は外交手段や国力の象徴なので、日本の漫画家がというより、漫画を中心とした経済圏にこそ興味があって、ここにこそクール・ジャパンを含めた未来があると思っています。

世界のコンテンツ市場をみると、伸びているのはアニメ、ゲーム、映画です。これらは漫画や小説を展開させた先だと思っているので、まずは漫画、その次は小説を抑えていくことで、先ほどお話したような経済圏作りと、世界のコンテンツ市場を盛り上げていくことが目標です。

海外から日本リスペクトコンテンツが生まれるか

坂本氏の述べるように、日本の持つハイクオリティなコンテンツを世界に発信し、市場全体を盛り上げていければこれほど素晴らしいことはない。

しかし、海外の方には、その国独自の文化的特色や価値観に沿ったものでなければ受け入れられないことも事実だ。今後は、日本の素晴らしいコンテンツに触れた漫画家やクリエイターがそのDNAを受け継ぎ、海外独自のコンテンツが新たに生まれ、育ち、発信されてゆけば面白いのではないだろうか(坂本氏の編集者AI(編集者サポーター)サービスはその違いを認識・実現させていきたいとのこと)。サブカルチャーは、いつの世も小さな繋がりから生まれるものである。

日本の価値観をそのまま輸出するだけでなく、グローバル市場においては、それぞれの価値観に合致したオーダーメイドコンテンツを生み出していくことが、よりリアルでクールなクール・ジャパンを実現させるのではないだろうか。


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
2代目SLT編集長。運営元のモンスター・ラボでは広報も担当。ITエンジニアの採用方法や人材不足に関する記事を執筆しています。好きな食べ物は馬肉。趣味は街を徘徊すること。声優ネタ、サブカルネタも好物です。お問い合わせはお気軽にこちらまで→ monstar-info@monstar-lab.com