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ゲームのちからで人を幸せに Unity開発のプロフェッショナルに聞いたゲーム業界の未来

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VR元年と言われた2016年、大ヒットを飛ばしたARアプリ『ポケモンGO』登場以降もAR・VRゲームの人気に伴う開発需要は継続して高いようだ。

今回は、Unityを活用した3D制作、AR・VRゲーム分野で実績数を伸ばしている株式会社ポケットクエリーズ代表取締役の佐々木宣彦氏と取締役立川元氏にUnity開発にかける想いと今後のゲーム業界についてお話しを伺った。

ーーまずはじめに佐々木さんが起業された経緯を教えてください。元々ゲーム開発会社を立ち上げようと思われていたのでしょうか。

佐々木さん)
社会人のスタートは機械設計で、トラックの設計開発に携わっておりました。その後製造業向けの業務システムの開発・導入やITコンサルティングの仕事をしていました。いつかは起業したいという想いはありましたが、様々なご縁やきっかけが重なり2010年にポケット・クエリーズを立ち上げました。

設立当時は、iPhoneアプリ開発のビジネスが盛り上がりつつある頃であったため、情報系のスマートフォンアプリの受託開発業を主事業とする会社として立ち上げました。ところが、設立後すぐに3Dゲーム系の案件の相談があり、ビジネスターゲットから外れるため一旦断ろうとしましたが、同時期にUnityでの開発手法を知り、受けることにしました。ゲーム開発の経験はそれまでありませんでしたが、製造業で3Dデータを扱う経験がありましたので乗り越えることが出来ました。

それを起点とした技術系、特にUnityでの開発ノウハウの情報を発信し続けていたら自然とゲーム関連のお仕事を頂くことが多くなり、現在ではゲーム開発会社として対外的にビジネス推進・情報発信を行っています。現在でも同じですが当時の理念として「ゲームが惹きつける魅力や力を実用サービスに応用したい」という想いは持ち続けています。

Unity開発をきっかけにゲーム開発の分野に進出したと語る佐々木さん

Unity開発をきっかけにゲーム開発の分野に進出したと語る佐々木さん

ーーゲームをゲームだけで終わらせない可能性に挑戦されているということですね。御社の主な事業内容について教えてください。

立川さん)
弊社は、主に4つの主力事業(ゲーム受託開発・企業への技術支援・ライセンスビジネス・自社ゲーム開発)を展開しています。開発案件の傾向としては、実用ソリューション系のアプリ開発のお仕事を頂くこともありますが、基本的にはゲーム(スマホ・コンシューマ)の開発がメインです。

特徴的な点としては、ARやVRなどの先端技術分野に関する開発スキルに関しては、技術研究なども自社で行っていますのでかなり自信を持っています。また、ホーチミンにある自社3DCGスタジオで3DCGツールを駆使して高品質なクリエイティブをご提供することも可能です。

自社での技術研究も活発に行われている

自社での研究開発も活発に行われている

ーーオフィスを拝見すると可愛らしいキャラクターが壁を埋め尽くしていますが、これは一体何でしょう?

立川さん)
これは弊社オリジナルキャラクター「クエリちゃん」で、ご当地の名産などに因んだオリジナルイラストを全国のファンの方から送っていただいたものを貼っています。ちゃんと47都道府県分の個性的なデザインをしているんですよ。このクエリちゃんを活用したライセンスビジネスも自社ビジネスのひとつです。このキャラクターは、ライセンスフリーで誰でも自由に使うことが可能なコンテンツです。最近では、いろいろなコンテンツに使用してもらっています。

オリジナルキャラクター:クエリちゃん

オリジナルキャラクター:クエリちゃん

壁一面を埋め尽くす「クエリちゃん」

壁一面を埋め尽くす「クエリちゃん」

ーー自社コンテンツにファンが生まれるなんて夢のようですね。海外の中でもベトナムのホーチミンに拠点をお持ちとのことですが、何故ベトナムなのでしょうか。

佐々木さん)
ベトナムのハノイでオフショア開発をおこなっていたこととも関連しますが、ホーチミンに300〜400人程度の規模のゲーム関連企業が点在しており、特に3Dデザイナーが多くいるというのが大きな理由のひとつです。基本的には現地採用で、中には大手企業を辞めて弊社に入社してきた社員もいますね。
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ーーベトナムとのリモート業務をする上で課題を感じていることなどはありますか?オフショアを円滑に進めるためにはどのような工夫が必要でしょうか?

佐々木さん)
ほぼ日本クライアント向け案件をしていますが特別に課題を大きく感じていることはありません。ベトナム人は日本人と気質が似ているという点もありますが、弊社ではオフショアと言えど日本で仕事を発注するときと同じように密にコミュニケーションを取ることを常に意識しています。例えば朝会を毎日おこなうなど、自分の仕事の意味をお互いにしっかりと確認し合うことが大切だと思います。

外国人エンジニアの比率は日本オフィスでも多めです。国籍は日本・中国・ベトナム・台湾の4カ国で現在25名の社員が日本で働いています。特徴的な点としては、エンジニアがコミュニケーターを兼任しており海外とのやりとりは全て日本語でやりとりをしています。そうすると日本人の社員にとっても認識齟齬が生まれにくくなります。
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ーーベトナム以外の国に展開されるご予定はありますか?また、今後のゲーム業界はどうなっていくのかお考えをお聞かせください。

立川さん)
やはりコンシューマゲーム業界を攻めていく上で重要となる北米にもゲームスタジオを展開していきたいですね。

今後のゲーム業界については実際のところ何がヒットするのがわからない世界ではありますが、MRという分野が世界を変えるのではないかと思っています。MRは複合現実と呼ばれCGなどで作られた仮想世界に現実世界の情報を取り込み、仮想世界と現実世界を融合させた世界を作る技術です。MRのすごいところは、あたかもこの場所に仮想的な物体が存在しているかのように違う世界同士が干渉し合っているところだと思います。弊社ではVRやARに限らず、MR分野にも今後積極的にコミットしていきたいですね。

近い将来MRの時代が来ると語る立川さん

近い将来MRの時代が来ると語る立川さん

ーー何だか聞いているだけでワクワクしてきてしまう話ですね!最後にメッセージをお願いいたします。

佐々木さん)
弊社では現在仲間を絶賛募集中です。ゲームや先端技術に触れながら仕事をしたいという方がいらっしゃれば是非一緒に面白い世界を作りましょう。うちは優しくてエンジニア気質な社員が多いので雰囲気の合う方はとても居心地のよい環境だと思います。(笑)

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取材後記

仮想現実としてのAR・VRに関してはすでに体験をしたという方も多いだろう。デジタルの世界にあたかもダイブしたかのようなあの没入感は独特なものだ。立川氏の述べるように今後はそれらに加えてMRという分野も登場しつつある。もし私たちがデジタルにダイブするのではなく、デジタルのほうがリアルと融合することが出来ればそれはもはやアニメや漫画作品で夢見た世界そのものだ。「人間の想像出来ることは、人間が必ず実現出来る」とSFの父ジュール・ヴェルヌが述べたとされる言葉だが確かにそうかもしれないと今回のインタビューを通して感じた。


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
運営元の株式会社モンスター・ラボでは広報・マーケティング領域を担当。好きな国はタイとドイツ。わりとアニメ声優ヲタク。