グローバルソーシング

【レポート】企業の新しい働き方を提唱!『第3回グッド・アクション』

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現代日本における労働人口の減少はとどまることを知らず、既にいくつかの業界では人材不足の課題に対する具体的な施策の確立が急務となっています。これは、一部の企業に限った話ではなく、社会全体の課題です。

そのような状況の中で、柔軟に問題に対応していくために「働き方の多様性」についても考えていかなければいけません。これまで経験したことのない時代を生きていく私たちは、それに合わせて新しい働き方や会社の在り方を模索することで、個々の存在が労働価値を最大限発揮出来るような仕組み作りが求められています。

株式会社リクルートキャリアが主催する、第3回『グッド・アクション』は、そんな新しく多様な働き方を提唱・実践する企業を表彰するものです。今回は、2月7日に行われた同イベントの模様をお伝えします。

「グッド・アクション」とは
働き方の多様性が求められる現代において、一人ひとりがイキイキと働くための、
職場の取り組みに光をあてるプロジェクト。
「現場の声から生まれた取り組み」「ユニークさやチャレンジ性がある取り組み」
「担当者が想いを持って始めた取り組み」など、「自分たちもやってみよう」とヒントを
持ち帰っていただける事例を紹介していきます。

会場の様子

今回表彰される企業がずらり

今回表彰される企業がずらり

エントリー企業を審査した4名

エントリー企業を審査した4名

開会の挨拶

開会の挨拶

約3ヶ月をかけて審査

約3ヶ月をかけて審査

審査基準

審査基準

No.① バスクリン銭湯部/株式会社バスクリン

銭湯文化と社内活性化を狙う

銭湯文化と社内活性化を狙う

企画概要 「バスクリン銭湯部」は、20代に中途社員によって発足。40・50代のベテラン社員が持っているノウハウや同社の歴史などを銭湯で裸の付き合いをするというもので、社内勉強会「バスクリン大学」や社外と銭湯文化を盛り上げるコラボ企画も実現し、活動の幅を広げている。

発足人である部長の高橋さんは、「ベテラン社員は当たり前の知識だと思っていたことが、そうではなかったので、今後もこの文化は後輩に伝えていきたい」とコメント。

No.② 事業部横断制度/レバレジーズ株式会社

事業部横断制度を実施

事業部横断制度を実施

企画概要 事業部の増加、拠点の全国展開、1年で120名採用など、急成長を遂げる同社では、『部署を超えたナレッジの共有』が課題に。様々な議論のなかから、LCP(Leverages Crossdepartment Program)を発足。『社内勉強会』『事業部交換留学制度』の2つを運営し、プログラムには毎回100名以上が参加するようになり、社内文化として浸透させることに成功。

発足人である事業部長の藤本さんは、成功の秘訣を「はじめにミッション・ビジョンの策定を徹底し、とにかく楽しくやることを徹底した」と語りました。

No.③ アイシンナンバーワン計画/アイシン精機株式会社

自社の帰属意識を高めたプロジェクト

自社の帰属意識を高めたプロジェクト

企画概要 地元愛知が誇る超一流企業の同社。規模の拡大と共に未知への挑戦よりも、安定を求める傾向が進み、社員同士のポジティブな会話も減少。「もっと世の中の新たな変化をつかみながら成長したい」と、年齢も部署も様々な有志メンバーが集まり「アイシンナンバーワン計画(ランチミーティング)」を開始。一度は退職を考えた若手がそれを取りやめ、同社に新しい価値を生みたい」と前向きに変化。

企画を始めた当初の反応について、同社橋本さんは、「最初は愚痴があったが、結果的に転職をやめた優秀な人材も食い止められて良かった」とのこと。

No.④ discover!プロジェクト/千代田化工建設株式会社

グローバル拠点にいる社員ともひとつになれるSNSを発足

グローバル拠点にいる社員ともひとつになれるSNSを発足

企画概要 グローバルに事業拠点を展開する同社では、働く人が目の前の仕事にとらわれ、横のつながりが生まれにくくなっていた。そこで、社員の素直な声を共有するために社内SNS『Voice』を発足。この企画により、「千代田で働く」自分自身や周りの仲間の思いを確認するきっかけとなっている。

社員を新しいSNSに呼び込むコツとして同社大木さんは、「真面目な議論ではなく、よりフランクな雰囲気作りが大切。グローバルレベルで社員の一体感を実現することが出来て非常によい取り組みだった」とコメント。

No.⑤ IT×廃校活用/株式会社LASSIC

全社キックオフを廃校で行うことで、濃密な議論が生まれた

全社キックオフを廃校で行うことで、濃密な議論が生まれた

企画概要 「鳥取発 ITで、地方創生」をビジョンに掲げる同社だが、都市部への拠点進出により地方創生というワードを身近に感じない社員も増加。そこで全社キックオフを鳥取県智頭町にある廃校で実施。メンバー同士の絆が深まったばかりでなく、地域住民との交流、積極的な議論が生まれた。

代表の若山さんは、「いつもの会議では生まれないような密なコミュニケーションが生まれた」と語りました。

No.⑥ 3C評価制度/フォルシア株式会社

自社のボーナスは自分たちで決める3C制度

自社のボーナスは自分たちで決める3C制度

企画概要 同社では、末期になると特別賞与原資の総額が明示され、自分以外の対象社員全員に分配するという設定で、全社員が賞与額を記入。その集計結果をもとに最終支給額を決定する「3C評価制度」を運用中。

代表の屋代さんは、「弊社は技術オリエンテッドな会社だが、技術に満足せずに人々に使われて初めてカタチになるんだということを社員に理解してもらう良い機会になった、どうやったらお金になるんだろうということを考えられた」とコメント。

『FreeWorking制度』/株式会社シグナルトーク

エンジニアなのにオフィスに来るなんてありえない!という言葉から始まったプロジェクト

エンジニアなのにオフィスに来るなんてありえない!という言葉から始まったプロジェクト

企画概要 同社では、コアタイム以外の時間帯は自由に出勤・退勤できる「成果報酬型」と1日8時間の実働時間に対して基本給を支払い、残業が発生した場合は時間外手当が支払われる「時間報酬型」のどちらかを選ぶことができる。さらに個々の事情に合わせた少日数勤務や、在宅勤務を制度化した「FreeWorking制度」を導入。

制度発足のきっかけを作ったエンジニアの花岡さんは、「普段は家とかカフェなどでわがままな働き方をしています。色々な技術やコネクションを磨く働き方が出来ている」と満足している様子。また、「動労時間が減ると生産性が下がるのではないかという議論があるが、当社では制度を導入しても業績が上がっているので、十分に両立は可能」とも。

人材育成エンジン/株式会社セプテーニ・ホールティングス

人材データを活用し、社員に最適化した人事を実施

人材データを活用し、社員に最適化した人事を実施

企画概要 「独自の人材育成を行い、他社と競争しない人事戦略を打ち出す」と編み出された「人材育成エンジン」。経歴や研修のデータなど各社員の数百項目もの情報から人材タイプを分析し、採用・社内適応・育成・戦力化に活かす。

同企画の進藤さんは、「一人ひとりのデータを活用して職場における最適解を見つけ、メンバーの能力を最大限引き出すことが可能」だと語りました。

取材後記

新しい働き方を模索する取り組みが今回、様々な企業の規模や業種に分散していたのは非常に面白いと思いました。新しい働き方というと、筆者はすぐにITベンチャーなどを思い浮かべるのですが、超大企業からベンチャーまで社内を変えるために取り組み、または社外を巻き込んだ取り組みなど見せてくれたことで、まさに多様な企業の在り方をどのような会社が企画・実践してもいいんだということを改めて実感することができました。

表彰式後の講評で、審査員のNewYouth代表の若新さんは「プロセス自体の価値よりも、それを継続して新しい発見やきっかけが生まれることが大切」とコメントしていましたが、その通りだと思います。今後も世の中の誰もが幸せになれるような働き方を企画・実践し、それを世の中に拡めていくような企業が増えていくことを願います。


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
運営元の株式会社モンスター・ラボでは広報・マーケティング領域を担当。好きな国はタイとドイツ。わりとアニメ声優ヲタク。