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【インタビュー】世界11億ユーザーが利用する写真加工アプリ『BeautyPlus』、開発・運営を担うMeituの野望とは?

みなさんはスマートフォンで写真や自撮りを撮った際、加工アプリを活用しているだろうか?

加工アプリのユーザーの多くは可愛く綺麗に写りたい女性。撮影後にアプリを使うのが面倒で、撮る時点で加工をしてくれるSNOWのようなアプリを活用されている方も多いのではないだろうか。

携帯で撮った写真だし初心者だから、Photoshopを使うまででもない。かといって、どのアプリを使えばいいのかもよくわからない!!そう、女性にとって写真加工の悩みは付きものだ。

そんな悩める女心をがっしり掴んだ、中国を中心に世界中で絶大な人気を誇る写真加工アプリがBeautyPlus』や『MakeupPlus』。BeautyPlusは加工全般が手軽にでき、MakeupPlusはメイクを足したいときに便利なアプリ。

これらの人気写真加工アプリを次々と世に送り出しているのが中国に本社を置くMeitu。今回は、日本代表責任者の木村アリサ祐美(以下、木村)さんに巨大なサービスMeituを運営する秘密についてお話を伺った。

気軽に自由に遊べる写真加工アプリを作りたい

ーーどのような経緯でmeituが設立されたのでしょうか?

木村:Meitu自体は2008年10月に中国アモイで設立されました。

もともとはスマートフォンとカメラの開発をしていました。その後、アプリの開発に移行という流れです。

カメラのアプリ開発に移った理由は、もっと自由に遊べる写真アプリを作りたいという理由です。例えばPhoto Shopは、写真加工においては有名ですよね。でもお金かかる、ちょっと使い方が難しい、といった課題がありなかなか初心者には手が出しづらいサービスだと感じていました。そこで、初心者でも手軽に使ってもらえるような、誰でも使える無料の写真加工サービスを作ることにしました。

若い女性ユーザーを中心に、高い人気を誇るメイクアップアプリ

ユーザー数は11億人以上

ーー日本でも人気が高いですよね!ユーザー数とその層はどのような感じでしょうか。

木村:2016年には既に11億人を突破しました。その中の9億人ほどが中国人のユーザーです。残りは海外のユーザーで、欧米、日本、東南アジアが殆どです。つい数週間前には、Hand-drawnという機能がアメリカにて話題沸騰いたして、ダウンロードブームの影響がヨーロッパまで及んだのです。

ちなみに、先日出ていた個人情報の流出に関する記事は、根も葉もない情報でした。

ーーそれについて読者も気になるところだと思うのですが、実際どうなっているのでしょうか。

木村:Meituのアプリには何も問題はなく、専門家も問題ないという見解を示しています。

弊社からも声明文を出しましたし、安心してアプリを使っていただいて問題ありません。

 

ーー読者のみなさん、Meituのアプリは問題なく使っていただけますよ!ところで、少し前に中国の香港で上場されましたよね。何か反響はありましたか?

木村:実は反響は中華圏以外でそこまで大きくなかったです。アプリ名とは裏腹に、会社名が知られていないという実態があるので、そこは今後の課題だと思います。 ただ、上場後株価が凄く上がり、今もう30%ぐらい上がっております。

ーー確かに、サービス名と提供会社名の知名度は一致しないことも多いですよね。

木村:それぞれ違う機能がある、というところで全部名前を変えています。たくさん機能を盛り込んでも、使い切れないと複雑になる一方で使いづらく、容量も重くなって勿体無いですよね。用途に合わせてアプリを分けることで、ユーザー自身が機能を選んで使えます。写真の修正はBeauty Plus、メイクを足したかったらMakeup Plus、とかですね。

Makeup PlusではAR機能を追加したので、自動修正の性能がよくなっています。自分でもすっぴんの時に使ってみたのですが、誰にも気づかれなかったんです(笑)

ーーそれはすごいですね!何か機能として工夫している部分は?

木村:AR機能を使っているので、個人の顔の特徴に合った編集がされるようになっています。例えば、西洋とアジアだともちろん顔つきは違いますよね。でも、アジアの中でも、例えば中国とインドネシアだと顔の特徴が少しずつ違います。そこの違いを細かくカバーしているのが、うちのアプリの特徴です。

サービスを支える500人規模のエンジニアとPMの存在

ーーそれができる仕組みはどこにあるのでしょうか。

木村:比べてもらうとわかると思うのですが、アプリの精度の高さにあると思っています。顔認識のドット数が多いので、より細かい部分が加工されやすくなっています。画像でも動画でも、自動で小顔になる機能や肌を綺麗に写す機能があるのも、そのおかげだと思います。

IT美容関係のクロスインダストリーという感じです!

ITと美容のクロスインダストリーであると語る木村さん

ーーそれでも、中国発のアプリが無数にある中でMeituは抜きん出ていますよね。

木村:そこに関して、PMの存在が大きいですね。ユーザーのニーズを把握して機能やコンテンツを改良しているからだと思います。

中国の女性は研究好きなので、少しくらい複雑な方がリサーチして使いこもうとする傾向があります。そのおかげもあってかアンインストール率が低く、一度使ったらずっと愛用していただいているのも理由の一つです。

ーーそれだけ高精度だと、エンジニアもたくさん必要そうですね。

木村:そうですね。今は500人体制でやっています。

ーーひとつのアプリの開発にエンジニア500人もいるんですか!?

木村:全部のアプリ開発にエンジニアが500人います。グローバルビジネスの拠点はアメリカですが、開発は主に中国です。

あとはスマートフォンの生産も、中国で人気が高いので追いつくのがやっとですね。近々日本でも発売されるかもしれませんよ!

ーーまだ日本には上陸していないんですか?

木村:まだですね。中国での人気が高く生産が追いついていないので。

ーースマートフォンも人気なんですね!どんなところが特徴ですか?

木村:やはりカメラですね。あとは、ターゲットである女性が使いやすいようなフォルム設計になっています。フォルムのモデルは、アンジェラベイビーです!

ーー女性が好きな可愛らしいフォルムですよね。早く日本にも来てほしいです!今後、日本でヒットさせるためにはどういう要素が必要だと考えていますか。

木村:Beauty Plusと比べたら、例えばMakeup Plusはまだユーザー数が追いついてないのが現状です。その理由は認知度にあると思っていて、もう少し認知されるようになれば使ってくれるユーザーも増えるのではないかと考えています。そこはこれからの課題ですね。

「make the world a better place」というMeituのスローガンももっと知ってもらえると嬉しいです。

あとは正直な話、中国発の企業という意味での課題はあります。なので、イメージ作りに気を付けつつ文化の差も埋めていきたいです。

「make the world a better place」がスローガン

ーー日本では人材不足のエンジニア集めに成功しているMeituですが、どのようにしたら多くのエンジニアを集められますか。

木村:エンジニアを安い人材として扱うべきではないと思います。例えばスタートアップで優秀なエンジニアが欲しいなら、アメリカでは年収2500万円くらい出さないと集まりません。日本では安く見られがちなエンジニアですが、海外ではそれくらい価値が高いのです。

もちろん、「優秀」と言ってもフルスタックとか、それなりのレベルが求められていますよ。

ーーその中で500人も集めるのは大変そうですね……

木村:うちの場合は設立者(ファウンダー)の影響力が強かったので、その下で働きたいというエンジニアは初めから多かったかもしれません(笑)もちろん苦労はありましたが、もともと経験豊富なファウンダーなのでうまくできたのかなと思います。

自分の可能性を信じてやってみる

ーーグローバルに活躍するMeituはどんな人材を求めているのでしょうか。

木村:自主性と提案力のある人ですね。

日本では、自分の技量を低くみている人がアメリカや中国に比べて多いように感じます。「自分はそんな高い技術は持っていない」と考えるよりも、まずは思い切って、可能性を信じてやってみて欲しいです。また、仕事内容は自主的に提案する姿勢が大切だとも考えています。会社側に仕事内容を聞くのではなく、積極的に自分でやりたいことを提案してくる人材が欲しいと思っています。

ということで、MeituではUIのデザイナーとARのアーティストを募集しています!

Illustratorや Photoshopが使えてクリエイティビティをお持ちの方!学生でもウェルカムです!興味がございましたら、ご応募ください。

ーーところで、個人としても積極的に活躍の場を広げている木村さんですが、そのモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか。

木村:自分自身を含め周囲の人たちを幸せにしたいという思いがあるので、自分のため、そして周りの人たちのために仕事をしています。自分の仕事が、自身のため、人々のため、そして世界のために貢献できることがモチベーションになっています。そのためには妥協はしたくないですね。

ーー今後の展開についてはどう考えていますか?

Meituの名前をアプリ名とともに広げていきたいですね。「自撮りといえばBeauty Plus」のような形で、知名度をさらに上げていきたいですね。

ーー本日は、ありがとうございました!

取材後記

インタビューをさせていただく中で、「より美しい世界にしたい」という同社の理念を口で語らずとも彼女自身のオーラが語っているように感じた。世界11億人以上のユーザーが日常的に利用しているサービスを支えているのは、もちろん多くの開発エンジニアでもあるが、彼女が持つ美に対する強い意思と世界中を日夜飛び回る圧倒的なバイタリティなのかもしれないと思った。

お知らせ

Meituのような写真加工アプリを開発したい!簡単に費用相場が知りたい!などをお考えの方は、ぜひ、こちらまでお問い合わせください。


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
2代目SLT編集長。運営元のモンスター・ラボでは広報も担当。ITエンジニアの採用方法や人材不足に関する記事を執筆しています。好きな食べ物は馬肉。趣味は街を徘徊すること。声優ネタ、サブカルネタも好物です。お問い合わせはお気軽にこちらまで→ monstar-info@monstar-lab.com