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問題は「言葉が通じないこと」ではない – システム開発における本質的な課題と回避策

Three businessmen working on a laptop

「オフショア開発では言葉が通じないから不安だ」という声をよく聞きます。言葉が通じないから、要求を伝えても正確に伝わらないのでは?理解されないのでは?というリスクを感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、今ではオフショア開発に限らず開発チームに外国人が含まれてることはよくあるため、これはオフショア開発だけに感じられるリスクではありません。

このようなコミュニケーションの問題を解決するために、社内の共通語に英語を採用し、社内会議は全て英語で行うという会社も出てきました。世界の優秀な人材を採用するためにも言語コミュニケーションの問題をクリアする方法を色んな会社が試しています。でも、そもそも「言葉」が問題なんでしょうか?

オフショア開発じゃなかったら、通じているか?

オフショア開発が始まる以前から、システム開発では仕様の理解不足に起因する失敗が多く発生しています。元来、情報システムやアプリというのはその殆どが目に見えないもので、概念的な理解も必要な仮想的なものなのです。それを自然言語で表現すると誤解するリスクが高まるという主張から、仕様を表現する設計手法が色々と試されました。UML(=Unified Modeling Language:統一モデリング言語)などはその方法の一つです。

つまり、オフショア開発だろうがなんだろうが、通じていないのです。オフショア開発でも国内の企業に委託する場合でも、どちらも同じ問題を抱えています。UMLなども結局は設計言語という言い方がされるほど、言語の一つであるので、結局は誤解が発生するリスクを払拭することはできません。

つまり、外国語という「言葉」が通じないことが問題なのではなく、目に見えないものの相互理解を、曖昧な表現が出来る自然言語や設計言語で行う事自体に問題がある訳です。ならば、この課題をどうやってクリアすればよいのでしょうか?

「言葉」に頼らない開発はどうすればいいの?

前回の「要件定義って何それ?美味しいの?」でも書いた様に、相互理解をするためには「文脈」を揃えることに触れました。しかし、これは簡単にはいきません。ただ、目に見えない「情報システム」や「アプリ」でも、最近ではモックアップを作成することで、発注者と受注者が簡単に動作を共有することが出来る様になりました。発注者が簡単な文書、口頭などで伝えた要求を開発者がマークアップなどで短時間でモックアップを開発して、発注者に触ってみてもらうことが出来ます。こういう試作を繰り返すことで、相互の誤解や見落としを見つけていくというアプローチがあります。意思疎通の失敗を減らすために、このようなプロセスを確立した開発体制を築いてプロジェクトを管理することが重要です。

この試作を繰り返すという開発プロセスですが、従来型のウォーターフォールの開発スタイルをとっている組織では、なかなか受入れられません。設計が固まっていないうちに開発に着手することになるからです。しかし、システム開発の様なリスクが高いプロジェクトで、工程の後の方でテストをするというのは、手戻りが多くて逆にリスクを高めてしまうと思います。そういう、従来型の開発の問題点とこれからの開発手法について・・・は、また別の機会に。

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KENTARO FURUKAWA / Project Manager
業務システムからスマホアプリ開発まで多様なシステム開発現場でプロジェクトマネージャをつとめる。ICタグシステム開発のベンチャーや物流会社の経営企画などで、事業開発や事業改善を主導。現在はフリーのプロ・プロジェクトマネージャとして活躍。