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ベトナムでシェア2位のブラウザ&検索エンジンCốc Cốcがたった1年でFirefoxを抜いた理由

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Webブラウザのシェアは、日本国内では、1位:Internet Explorer、2位:Google Chrome、3位:Firefoxとなっていますが、ベトナムではどうなっているかご存知でしょうか?(参照:日本のWebブラウザのシェアランキング

実は「Cốc Cốc(コック・コック)」という日本では耳馴染みの薄いWebブラウザがGoogle Chromeに次いで2位になっています。

2013年にリリースしてわずか1年半のうちに、ベトナムで圧倒的なシェアを獲得したという「Cốc Cốc」の秘密を、Cốc Cốc CompanyLimited,の小比賀氏にお伺いしました。

参照:ベトナムのブラウザシェアランキング推移

徹底的なローカライズがユーザー獲得の要因

まずは、Cốc Cốcの概要について教えてください

Cốc Cốcは一言で言うと、「ベトナムのユーザーにフォーカスした検索エンジン」です。

2013年に正式リリースし、2015年9月現在Google Chromeに次いで、ベトナム国内でのユーザー数が第2位になっています。シェア率でいうと20%前後、デイリーで300万人程度の方に使っていただいています。
従業員は約300名いて、ベトナムでは、比較的規模が大きい会社です。そのうちベトナム人が200名程度で、ロシア人が50名程度、他にもフランス人、ウクライナ人、私のような日本人など、様々な国籍のメンバーがいるグローバルな環境です。メンバー構成としては、エンジニアが多くを占めています。CEOはロシア人で、ロシアの投資家からも資金を調達しています。

ロシアとはどういった関係があるのでしょうか?

ベトナム人のファウンダーが2000年代中頃、ロシアに留学していた際にロシア語の検索エンジンを作るプロジェクトに参加していました。そのプロジェクトを通じてGoogleなどと競い合ったことで自国のベトナムでも、検索エンジン市場に参入できる自信を得て、それがサービスを始めるきっかけとなっています。Cốc Cốcは、そのロシアでのプロジェクトメンバーがエンジニアとして多く残っていることもあり、ロシア人の比率が高くなっています。

ちなみに、社内でのコミュニケーションは大半が英語ですが、ロシア語を話すベトナム人も一部います。ベトナムは社会主義国でもあるので、ロシアとの歴史的な関係も少なからずあるかと思います。実際、私の住むハノイでは、ロシア人やロシア語を目にする機会は度々あります。

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そうなんですね!ちなみにロシア人以外にも様々な国籍の方が働いているとのことですが、彼らはどんなモチベーションでCốc Cốcで働くことを選んだのでしょうか?

Cốc Cốcで働くモチベーションは様々だと思いますね。たとえば、ベトナムに特化した検索エンジンを作るというトピックの面白さに惹かれたメンバーもいますし、GoogleやFirefoxといった、有名な競合と戦える環境に惹かれたメンバーもいます。

Cốc Cốcの特徴を教えてください

一言で言うと、ベトナムのユーザーのために徹底的にローカライズしていることが特徴です。

第一に入力機能をローカライズしています。ベトナム語は表記が複雑で、アルファベットの母音ごとに6種類の声調記号が存在するなど、通常のアルファベットよりも文字の種類が多いのです。しかし、他の検索エンジンでは、こういったベトナム語特有の表記に対応していません。そのため、ベトナム人は従来の検索エンジンを使う際、発音記号を無視して入力するのですが、そうすると意図しない検索結果が多数ヒットしてしまいます。CốcCốcでは、ベトナム語に対応し、かつ予測変換機能を充実させることによって、20%〜50%ほど少ないタイピングでも期待通りの検索結果を出すことを実現しています。

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他の特徴としては、ダウンロードの速度の速さや、Facebookへのアクセスしやすさ、ベトナムのローカル情報を反映させた地図機能の充実が挙げられます。これらの特徴も、ベトナム人のネットの利用傾向や、ベトナムのネット回線の不安定さを反映しています。

競合に簡単に真似されないWebブラウザ

Cốc CốcもGoogleと同様に広告が収益の柱ですか?

そうですね。Googleと一つ違う特徴として、新規タブを開いた時に表示させる広告メニューを用意しています。弊社の調べでは、ユーザー一人当たりが、1日に8.7回程度新規タブを開いています。新規タブを開いた瞬間に広告が出るとユーザーの目を引きますよね。前述した通り、Cốc Cốcのデイリーでのユーザー数は300万人ほどなので、広告主様にとって効果的なPRが可能だと考えています。

今後、Google Chrome等の競合がローカライズを進めていく可能性はありませんか?

弊社としても、その可能性は検討していますが、Cốc Cốcと同じレベルになるまでには相当時間がかかると認識しています。Cốc Cốcは、ベトナム国内でベトナム人中心に、ローカルのニーズを熟知したうえでサービスを作っているからこそ、これだけのシェア獲得につながっていると考えており、サービス開始以降、検索エンジンとしてすでにインデックスしたページの多さなど、なかなか競合には真似しづらいと思います。

逆に、Cốc Cốcは今後他の国に展開していく予定はありますか?

検索エンジン市場というのは、1度使い始めたらなかなか変えることがなく、先行者優位であると考えられますが、それでも後発のCốc Cốcがユーザーを獲得できている理由は、ベトナムに対する徹底したローカライズにあると考えているので、他の国に展開することはCốc Cốcの特性と合わないかもしれません。ただ、今後は別のサービスを他国で展開する可能性はあります。

Cốc Cốcの今後の展望はどうなっていますか?

ベトナムで比較的大きなシェアを獲得しつつあるので、今後はさらに、ユーザーにとっての使いやすさを向上させていければと考えております。一方で、自分のようなベトナムに住む日本人の間ではまだまだ認知されていないのが現状です。検索エンジンとしての質は、競合に負けていないので、今後知名度を上げていきたいです。

取材担当より

Cốc Cốcが徹底したベトナム用のローカライズを実践することで、Firefox等の有名な検索エンジンと対等に渡り合っていることに驚きました。他国や、他ジャンルのサービスでも同様の事例があったりするのでしょうか?今後調査してみたいと思います!

Cốc Cốc

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MAITO NAGASHIMA / Internship
セカイラボでインターン中の学生です。社会人に間違えられることが多いですが、大学生です。グローバル化が進む時代をどう面白く生きていこうか思索しながら、バイト先の映画館でポップコーンをつくる日々を過ごしています。好きな国はスウェーデンです。