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マルチリンガル人材需要が急増!トライフルが描く日本と世界の架け橋

株式会社トライフルCEO久野 華子さん

株式会社トライフルCEO久野 華子さん

近年、イベント業界で外国人人材の需要が急速に高まっている。それも、単純な外国籍を持つ人材ではなく、複数の国の言葉を操るマルチリンガル人材が求められている。

今回は、業界の既存の常識では手の届かなかった部分にリーチして、ハイクオリティな外国語対応可能人材を提供・ビジネスマッチングをしている、株式会社トライフル代表の久野 華子(くの はなこ)さんにお話をお伺いした。

株式会社トライフル
日本語+外国語を1つ以上話せる外国語対応人材を、世界中どこでも、最短1時間から手配可能。通訳、モデル、コンパニオン、サービススタッフ、MC、アーティスト、ディレクター、カメラマン、パフォーマーetc.
対応可能言語:英・中・韓・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語など。
対応可能地域:日本全国、全世界

起業のきっかけはコンパニオン時代の経験から

ーー久野さんはどのようないきさつで現在のビジネスに行き着いたのですか?

 

久野さん)
前職は、カタログ通販のニッセンでマーケティングを担当していました。その後、Webデザインを学ぶために専門学校に通いながらアルバイトも並行して行っていました。そのときに出会ったのが、イベントコンパニオンのお仕事です。

イベントコンパニオンは、一見とても華やかそうな仕事に見えるのですが、実際には、彼女らの多くはフリーランスでクライアントの数々の選考を勝ち抜いてあのイベント会場に立っているのです。

コンパニオン時代の久野さん

当時、わたしはコンパニオンとしての仕事をしながら、イベントの度に毎回エントリーして、応募者の経歴を見て、選ぶ・選ばれるという仕組みがマーケティング的に非常に面白いと感じました。

特に、語学に堪能な人は日給がほかの一般的な日給に比べてとても高く、自分の需要が高さに気づきました。

自身の経験から大きな課題があると思い、起業した

自身の経験から大きな課題があると思い、起業した

ーーそこで現役のまま人気になろうとせずに、起業の道を選ばれたのは何故なんでしょうか?

 

久野さん)
良い条件の仕事も安定して取れるようになって、ある程度案件の分析も出来るようになり、今後の方向性について同僚に相談したところ、「この業界は次から次に人が入ってくるし、あまり良い環境じゃないから長くいるべきではない」と言われたんです。

その言葉を聞いて、悲しいなと思った反面、彼女の言う通りだとも思いました。イベントコンパニオンの仕事は、基本的にビジュアルや年齢が重要視され、せっかく血の滲むような努力をしていても、ある程度の年齢になれば引退せざるをえず、その後のキャリアにも繋がりにくいという問題がありました。さらに、彼女ら自身も自分たちは頭が良くないからコンパニオンをするしかないと諦めてしまっている人が大勢いたんです。

様々な現場で活躍しつつもリアルな声も聞いた

わたしはその時、こういうふうに思わせてしまう仕組みがいけないんだと思いました。バックパッカーで世界の貧しい女性たちの現状を目の当たりにした経験もあったので、すべての人の努力が正当に評価され、働ける世界を目指したいと思ったのが現在の会社を興すきっかけです。

業界の常識に風穴を開けたサービス内容

ーーなるほど、世界の貧困問題にも紐づくんですね。御社のビジネスモデルを教えてください。

 

久野さん)
マルチリンガルの人材をスポットで提供するというのが基本サービスです。

契約期間を短期にしている理由は、弊社に登録している方々に、仕事を選ぶ楽しさ、クライアントから選ばれる喜びを感じてほしいからです。日程や条件さえ合えば、1日からでも気軽に働けるというのが大きな魅力です。

全世界で同じ給与基準を設けており、誰でもが同じように働ける基準を提供したいという想いがあります。

ーー多言語に対応した人材派遣というと、既によくありそうなイメージがあるのですが、違うのですか?

 

久野さん)
はい、決して多くはありませんが、既存のサービスでも外国語対応人材を提供している会社はありました。しかし、どこも片手間で、スポットでマルチリンガル人材の手配を、フルコミットで行っているエージェンシーは、おそらく弊社が業界初となります。

従来、通常のエージェンシーは、片手間に外国籍の人材の対応をすることが多かったのですが、近年の国際化に伴い、複数の外国語でコミュニケーションが可能な人材の需要が増加し、供給側が追いついていないという状況が生まれました。また、これまでの問題として、たとえ外国語が話せたとしても、十分なスキルを持った人材ではなかったというギャップが多々発生していました。

なので、弊社では片手間ではなくフルコミットでマルチリンガルの紹介を行い、厳しい審査基準を通過した方だけが登録出来るように工夫しています。

マルチリンガルを取り扱う専門のエージェンシーはこれまでいなかったと語る久野さん

マルチリンガルを取り扱う専門のエージェンシーはこれまでいなかったと語る久野さん

ーーまさに業界に風穴を空けたわけですね。ところで、御社名のトライフルとはどのような意味なのでしょうか?

 

久野さん)
トライフルとは、スポンジやフルーツの切れ端を集めたイギリスのデザートのことなんです。初めてトライフルを見たとき、たとえそれぞれがバラバラでも集まれば、素晴らしいものになるというというところが素晴らしいなと思い、社名に採用しました。

『トライフル』/提供:いらすとや

ーーぜひそのトライフル、食べてみたいです。久野さんは、2016年に起業されたばかりですが、現在の問い合わせ状況はいかがですか?

 

久野さん)
はい。おかげさまでかなりご好評を頂いておりまして、面談が追いつかないという状況です。

その理由としては、やはり今まで手軽にマルチリンガルの人材を必要な場所に必要なだけアサイン出来るという仕組みが存在していなかったというのが大きいのではないでしょうか。

通常この業界の発注フローですと、代理店を挟むことが多いのですが、大企業から直接発注を頂くことも多いです。

現在、お問い合わせの約7割が受注となっております。

ーー7割ですか!すごいですね!御社の独自性はどこにあるのでしょう?また、どうやってそのグローバル人材を集めてきているのですか?

 

久野さん)
弊社の強みは、幅広い人脈と多様な言語や国籍を持つ人材を専門的にピンポイントでアウトソース出来るという点が大手人材企業にはない部分ですね。

人材の集め方ですが、かなり属人的な方法ではありますが、私が42カ国のバックパッカーをした際に培った人脈をいまビジネスで活用させて頂いております。ほとんどが友人の紹介や口コミで、実は一度も採用広告を使ったことがないんです。

ーー出身国や属性など、登録されている方はどんな方が多いのでしょう?

 

久野さん)
現在の登録数は、約150人です。ほとんどが直契約で、約半分がトリリンガル。その中には4,5カ国を操る人もいます。

国別だと主に、日本人が割合的には多いですが、香港、アメリカ、フィリピンあたりが採用出来ています。

属性は、主にモデルや主婦などを兼業している方が大多数です。私は今後、そのような必要な時に必要な分だけ働くというような複数の仕事を持つ働き方がメジャーになっていくと思います。

自身の海外での経験も活きている

必要な場所に必要な人材を

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ーーサービスを展開していく上で、大切にしていることなどがあれば教えてください。

 

久野さん)
近年の日本では、いわゆる意識高い系と呼ばれる人たちがバカにされる雰囲気があると思います。ですが、私はたとえ不器用でも一生懸命努力している人は評価されるべきだし、自然と応援されるような文化を日本に根付かせたいです。しかも、そういう人のほうが長期的に能力が伸びる傾向にあります。

日本人は常に完璧を求めようとする傾向にあると思いますが、それが全て正しいわけではなくて、時代によって完璧の基準も大きく変わってきます。もし正解があるとすれば、その時代に必要なものをその人に必要なだけ提供するということなのではないでしょうか。

たとえ、スキルや単価が低かったとしてもそれは悪ではないのです。お客様の中にはそういったあまりスキルは高くないが、単価の低い人材を求められている方もいらっしゃいます。

そうした、一つ一つの正解をしっかりと結びつけていくのが、弊社の求められている役割であると思っています。

ーー今後の展開があればぜひお聞かせください。

 

久野さん)
やりたいことはたくさんあるのですが、今後はより大きくシステマティックなサービスにしていきたいですね。その意図としては、より多くの人がより多くの選択肢を少ない手数料サービスを利用してもらいたいからです。

日本に来たくても来れない、経済的に貧しい環境にいる友人の話などを聞くと、自分のような恵まれた環境にいる自分が彼女らと日本の橋渡しをして、世界を大きく変えていかなければと思っています。

ーー久野さんならその世界を実現出来ると思います!本日は、ありがとうございました!

おまけ:さすがポーズも決まってました。

おまけ:さすがポーズも決まってました。

久野さんにお問い合わせしたい方はこちらから→株式会社トライフル お問い合わせフォーム

編集後記

取材を通して、久野さんの「自分が日本と世界の架け橋になって全ての人が平等な機会を持てる世界を実現したい」という熱い想いがひしひしと伝わって来るインタビューだった。

複数言語対応可能な人材が世界的に需要があることはもちろんだが、久野さんのビジネスが急成長出来ている理由は、「本当に必要としている場所に、本当に必要な人材を提供出来ている」ことと、確固たる信念を貫いているからだと思った。

日本の生産人口の動向からも、今後もイベント業界だけでなく、様々な業界で海外人材の需要は高まってくるだろう。そんな時に、すぐに適切に安心してアウトソーシングを手助けしてくれる仕組みが増えていけば、人口問題解決の糸口になるのではないだろうか。


花岡 郁 / SEKAI LAB TIMES編集長
2代目SLT編集長。運営元のモンスター・ラボでは広報も担当。ITエンジニアの採用方法や人材不足に関する記事を執筆しています。好きな食べ物は馬肉。趣味は街を徘徊すること。声優ネタ、サブカルネタも好物です。お問い合わせはお気軽にこちらまで→ monstar-info@monstar-lab.com